チュブ州

チュブト州について

チュブト州は、アルゼンチン南部に位置し、アンデス山脈から大西洋岸までの広大な地域をカバーしています。北はリオネグロ州、南はサンタクルス州と接しており、西側はチリとの国境となっています。州名は先住民テウエルチェ族の言葉で「透明」を意味し、チュブト川の澄んだ水に由来しています。

州最大の都市はコモドーロ・リバダビアですが、州都は北部のラウソンです。その他、プエルト・マドリン、トレレウ、エスケル、サルミエントなどの都市が重要な役割を担っています。

面積は224,686平方キロメートル、2022年の国勢調査によると人口は約60万人です。

歴史

この地には、スペイン人が到来する以前からテウエルチェ族が居住していました。17世紀から18世紀にかけて、スペインの宣教師が布教活動を開始し、19世紀にはウェールズ人が入植しました。20世紀初頭には、ボーア戦争終結後に一部のボーア人がこの地に移住しています。

チュブト州は1955年に正式に成立しました。20世紀後半以降、特にブエノスアイレスからの移住が増加し、人口は着実に増加しています。しかし、人口の多くは大都市やチュブト川沿岸に集中しており、広大な地域では人口密度が1平方キロメートルあたり1人未満となっています。

経済

チュブト州の経済は、石油精製が主要な産業であり、アルゼンチン全体の石油生産の約13%を占めています。また、牧羊も盛んに行われています。

観光

観光業は近年著しい成長を見せています。特にバルデス半島、プンタ・トンボ、プンタ・ニンファスなどの地域は、ヒゲクジラ、アシカ、ゾウアザラシ、ペンギン、シャチなど、多くの海洋生物が生息する場所として知られています。プンタ・トンボには、広大なマゼランペンギンの繁殖地があります。

アンデス山脈地域には、ロス・アレルセス国立公園があり、美しい湖やエスケル周辺のハイキングコースが人気を集めています。エスケルを走る「オールド・パタゴニア急行」は、作家ポール・セルーの紹介で有名になった蒸気機関車で、多くの観光客を魅了しています。サルミエント近郊には珪化木による森林があり、世界有数の木化石公園となっています。

化石

2011年にチュブト州で発見され、2017年に命名されたパタゴティタンは、白亜紀に生息していた草食恐竜で、体長37メートルにも及ぶ世界最大級の恐竜の一つです。

隣接州

リオネグロ州
サンタクルス州
アイセン・デル・ヘネラル・カルロス・イバニェス・デル・カンポ州（チリ）
ロス・ラゴス州（チリ）

下位行政区画

チュブト州は、以下のデパルタメント（県）に区分されます。

ビエドマ・デパルタメント
クシャメン・デパルタメント
エスカランテ・デパルタメント
フロレンティーノ・アメグイーノ・デパルタメント
フタレウフ・デパルタメント
ガイマン・デパルタメント
ガストレ・デパルタメント
ランギニェオ・デパルタメント
マルティレス・デパルタメント
パソ・デ・インディオス・デパルタメント
ラウソン・デパルタメント
リオ・センゲール・デパルタメント
サルミエント・デパルタメント
テウエルチェス・デパルタメント
* テルセン・デパルタメント

もう一度検索