トレヴァー・ハワード

トレヴァー・ハワード：イギリスの名優

トレヴァー・ハワード（Trevor Howard, CBE）は、1913年9月29日にイギリスのケント州で生まれ、1988年1月7日に亡くなった著名な俳優です。彼は数十年にわたり、舞台と映画の両方で非常に多才な表現力を持ち、多くの成功を収めました。

生い立ちと教育

彼の父親は保険組合の理事として働いており、家族は生まれて間もなくセイロンに移住します。ハワードは、5歳まではセイロンで過ごしましたが、その後も父親の影響でアメリカやカナダへ移り住み、カナダのオンタリオ州ブラントフォードにある学校で学びます。帰国後は、ブリストルのクリフトン・カレッジで学ぶ傍ら、クリケット選手としても活躍しました。最終的には、奨学金を得て王立演劇学校に進み、1934年にはロンドンの舞台に立つことになります。

第二次世界大戦とその後

彼のキャリアは、第二次世界大戦の影響を大きく受けました。1940年から3年間従軍し、落下傘部隊としてナチス占領下のノルウェーに降下するとともに、シシリー進攻にも参加しました。彼はこのような行動により戦功十字章を受ける栄誉に浴します。戦争から帰還後の1944年9月8日には、同じく俳優のヘレン・チェリーと結婚。また、1945年には映画デビューを果たし、戦後の映画界で成長する道を歩むことになります。

映画キャリアの発展

戦後の彼は、重厚感のある存在感を発揮し、多くの名作に出演しました。デヴィッド・リーン監督の『逢びき』や、キャロル・リードの『第三の男』など、さまざまな作品で印象深い役を演じました。特に『ライアンの娘』では神父役を務め、この映画での実演は今でも多くの人々に記憶されています。

時代劇とファンタジー

トレヴァー・ハワードは、時代劇や歴史劇において特に際立った存在となり、古代から近代までのヨーロッパの歴史上の人物を多数演じました。また、娯楽作品としては、アドベンチャー映画やファンタジー作品にも出演し、貫禄のある王の役が多く見られました。晩年の主演作『光年のかなた』では、さまざまな不思議なキャラクターを演じ、視聴者に深い印象を残しました。

晩年と死去

ハワードは1988年1月7日、インフルエンザ気管支炎と黄疸の合併症により亡くなりました。彼の死は、多くのファンや同業者にとって大きな損失とされました。彼の影響力は、演技のスタイルや演じた役に留まらず、映画と舞台の両方に深く刻まれています。

日本の訪問

1962年には、映画『戦艦バウンティ』の公開を記念し、夫人と共に日本を訪問したことでも知られています。彼の多彩な才能とその業績は、今もなお多くの人々に愛され続けています。

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