トーアエイヨー

トーアエイヨー株式会社

トーアエイヨー株式会社は、日本の医薬品製造販売企業であり、特に循環器系の薬剤分野に注力しています。その本社は東京都中央区に位置しています。

概要

当社の成り立ちと事業展開は、繊維製品を主要事業とする片倉工業株式会社との密接な関係から始まります。片倉工業の連結子会社であるトーアエイヨーは、その創業初期には現在とは異なる分野の製品を手がけていました。特に、カイコのサナギから抽出される成分を基にしたビタミンB2製剤である「ビスラーゼ」や「フラビタン」が、当時の主要な製品群を構成していました。

しかし、1981年を迎えるにあたり、同社は事業の大きな転換期を迎えます。この年、狭心症の治療に用いられる薬剤「フランドル」の開発、製造、そして販売を開始したことが、循環器用薬メーカーとしての新たな歩みを決定づける契機となりました。この「フランドル」の成功を足がかりに、トーアエイヨーは循環器領域における専門性を深めていくことになります。

その後の発展において、辻和之博士をはじめとする研究開発チームが重要な役割を果たしました。彼らの尽力により、「フランドル」の改良型である経皮吸収型テープ製剤「フランドルテープ」が開発されました。これにより、患者は薬剤を経口摂取するだけでなく、皮膚に貼付することで効果を得られるようになり、治療の選択肢が広がりました。さらに、狭心症の急性発作時などに用いられる「アイトロール」や、携帯可能なスプレータイプの「ミオコールスプレー」など、一連の狭心症治療薬が次々と開発されました。これらの革新的な医薬品群の開発と市場投入は、トーアエイヨーが循環器系、特に狭心症治療薬分野において確固たる地位を築き上げる上で、まさに発展の主軸となったのです。

沿革

トーアエイヨー株式会社の歴史は、1943年（昭和18年）10月に「東亜栄養化学工業株式会社」として設立されたことから始まります。当初は栄養化学分野での事業を展開していましたが、前述のように時代の流れと共に医薬品、特に循環器分野へとその焦点を移していきました。

そして、設立から40年が経過した1983年（昭和58年）4月、社名を現在の「トーアエイヨー株式会社」へと変更し、今日に至る企業体制を確立しました。

このように、トーアエイヨーは、創業期の栄養化学から出発し、循環器用薬への事業転換を経て、狭心症治療薬を中心とした製品開発を通じて成長を遂げてきた歴史を持つ企業です。片倉工業グループの一員として、循環器医療への貢献を目指しています。

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