トーネード IDS

トーネード IDS / ECR

トーネード IDS / ECRは、イギリス、西ドイツ、イタリアの3カ国が協力して開発した戦闘攻撃機であり、現在もこれらの国及びサウジアラビアにおいて運用されています。この機体は多用途性を持つため、主な任務は空中阻止であり、要撃、近接航空支援、艦艇攻撃、偵察任務などの多くの派生型が存在します。機体名の「トーネード」は、英語で「竜巻」を意味しますが、その名の通り、大きな破壊力を持つ攻撃機です。

概要

この機体が開発された背景には、1960年代における北大西洋条約機構のメンバーが新型攻撃機の共同開発を模索していたことがあります。当初の計画にはカナダやベルギー、オランダが含まれていましたが、これらの国が計画から撤退したため、最終的にイギリス、西ドイツ、イタリアの3国で開発が進められました。特にイギリスが主導的な役割を果たし、プロジェクトが実動に移されたのは1969年のことでした。

トーネードは、1974年に試作機が初飛行した後、1976年にはイギリス空軍と西ドイツ空軍向けの生産が始まりました。そして1980年代に、湾岸戦争など実戦にも参加し、数多くの任務を遂行しました。

機体の特徴

トーネード IDSはその設計上、STOL（短距離離着陸）性能や経済性、機動性にも優れており、可変翼を採用しています。これにより、低速飛行でも優れた操縦性を発揮し、逆噴射装置を装備することで高度な運動性能を実現しました。また、早期にフライ・バイ・ワイヤ技術を取り入れた点も特筆されます。

機体には各種の兵器を搭載でき、多様な任務をこなせるようになっています。特に、湾岸戦争ではJP233爆弾を使用して滑走路を破壊し、多国籍軍の空爆作戦において重要な役割を果たしました。

戦歴

トーネードは数多くの戦闘任務に参加しました。特に湾岸戦争では、滑走路破壊や空中戦の重要な役割を果たし、イラク軍に対する制空権の確保に貢献しました。戦後もその能力は評価され続け、様々な紛争において活躍しています。近年でも、ドイツ空軍が参加する生来の決意作戦では偵察機の任務を担い、重要な情報を提供し続けています。

各型

トーネード IDSは、主にドイツ空軍とイタリア空軍が使用しており、さまざまな武装を搭載可能です。一方、トーネード ECRは電子戦型で、敵レーダーを無力化する任務を主に担っています。また、トーネード GR.1やその派生型はイギリス空軍向けに設計されており、防空任務にも対応可能です。

結論

トーネード IDS / ECRは、開発当初から現在に至るまで、各国で重視され続けている戦闘機です。その多機能性と効果的な戦闘能力により、冷戦や湾岸戦争をはじめとする多くの戦争で重要な役割を果たしてきました。これからもその存在意義は続くことでしょう。

もう一度検索