トーマス・ポート

トーマス・P・ポート（生年不詳 - 1924年7月）は、アメリカ・バプテスト教会の宣教師であり、日本の東北地方におけるキリスト教の普及に尽力した人物です。彼は「東北の開拓者」とも呼ばれています。

1875年、ポートは文部省のお雇い教師として来日し、東京英語学校で英語を教えました。その後、東京大学予備校に移り教鞭をとります。1879年にアメリカ・バプテスト教会の宣教師となり、同年12月30日に按手礼を受け、本格的に宣教活動を開始しました。

1880年からは東北地方での伝道活動に力を注ぎ、1月25日には盛岡浸礼教会（現在の内丸教会）を組織しました。同年5月には古川の御代川で清野供之進、池田清道らにバプテスマを授けています。同年10月には仙台市の広瀬川で3名に洗礼を授け、仙台浸礼教会（現在の仙台ホサナ教会）を設立しました。さらに、花巻浸礼教会も設立するなど、東北地方におけるバプテスト教会の基盤を築きました。

1882年3月には東北伝道を再開し、4月には宮城県柳津、5月には山形県酒田に教会を設立しました。同年12月には八戸教会（現在の日本バプテスト連盟八戸バプテスト教会）を設立するなど精力的に活動しました。

1884年10月、横浜バプテスト神学校（関東学院神学部）の設立に際しては、教会史の教授に就任しました。しかし、1886年にはアメリカに帰国しています。帰国後の1887年には岩手県尋常中学校の教師となりますが、排斥運動のために1890年に解職されています。

1891年、ポートはネイサン・ブラウンの新約聖書を改訂するために再び来日し東京に移り住みます。その後、1892年にアメリカに帰国しました。

ポートの東北地方における伝道活動は、その後の日本のバプテスト教会に大きな影響を与えました。彼の足跡は、現在も各地の教会に深く刻まれています。

参考文献
* 『日本キリスト教歴史大事典』教文館、1988年

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