トー横キッズ

トー横キッズについて

トー横キッズとは、東京都新宿区の歌舞伎町に位置する新宿東宝ビル周辺の路地で集まる若者たちのことを指します。「トー横」という名称は、「新宿東宝ビルの横」を省略した言葉です。この集団は、主に自撮りを行うことを目的とした若者によって形成され、2018年頃からその活動が目立つようになりました。

特に、新宿東宝ビルはゴジラヘッドが設置されていることで有名であり、観光客が訪れるスポットともなっています。そのため、トー横キッズたちは自撮りのためにここを訪れることが多く、徐々にこの場所が若者たちの集まり場として認識されるようになりました。彼ら自身は「自撮り界隈」と自称し、自己表現の場を求める一群となっています。

周囲の居酒屋や風俗店の店員たちは彼らを「トー横キッズ」と呼ぶようになりましたが、若者たちはこの呼称に対して抵抗を示し、2019年9月以降は「トー横界隈」と名乗るようになりました。彼らの活動は一時的に無名でしたが、2021年には周辺で発生した犯罪行為や誹謗中傷がきっかけで、メディアの注目を集めるようになります。この名が広まる背景には、トー横キッズたちの関連する問題が次第に深刻化していったことがありました。

具体的には、援助交際や暴力行為の被害が絶えず発生しており、社会問題となっています。2021年6月には、ある若者がホームレスの男性に暴力を振るった動画がSNSで拡散し、その少年は書類送検されました。さらに同年5月には、交際中の17歳の少年と14歳の女子中学生が歌舞伎町のホテルから飛び降り自殺し、その際に薬物中毒であることも確認されました。

これらの事件はトー横キッズという若者集団の存在が、一部では危険と隣り合わせであることを浮き彫りにしました。彼らの間でのコミュニティは、ただの楽しみの場として機能しているのではなく、同時に社会的な負の側面を見せつけています。

他の地域では、トー横キッズのような存在が「グリ下キッズ」や「警固界隈」と呼ばれることもあり、全国的に見られる現象でもあります。「グリ下キッズ」は大阪市の道頓堀に集まる若者を示し、「警固界隈」は福岡市の天神周辺で同様の活動を行う人々を指します。ただし、これらは東京都の東横とは関係ありません。

近年、こうした若者たちの集まりは注意を要する状況となっており、地域社会との関係やその影響についての検討が求められています。トー横キッズという名称が象徴するもの、それはただの若者たちの溜まり場だけでなく、現代の若者が抱えるさまざまな問題に対する警鐘でもあると言えるでしょう。

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