ドイツ・フォーラム党

ドイツ・フォーラム党（Deutsche Forumpartei, DFP）は、ドイツ民主共和国（東ドイツ）末期に短期間存在した政党です。1990年1月27日、カール＝マルクス＝シュタット（現在のケムニッツ）において、有力な市民団体であった新フォーラムから分離する形で創設されました。

党首にはユルゲン・シュミーダーが就任し、党の立ち位置を政治的な中道と規定しました。しかし、その政策や主張からは、実際には中道右派的な色彩が強く感じられました。

1990年3月18日に行われた東ドイツ最初で最後の自由選挙となる人民議会選挙において、ドイツ・フォーラム党はキリスト教民主同盟が主導する保守政党連合「ドイツ連合」からの参加の誘いを断りました。その代わりに、世俗主義的な自由主義勢力による政党連合である「自由民主同盟」（Bund Freier Demokraten, BFD）を結成し選挙に臨みました。

選挙の結果、自由民主同盟は5.3％の得票率を獲得し、人民議会に21議席を得ることに成功しました。しかし、東西ドイツの統一という大きな流れの中で、ドイツ・フォーラム党は他のBFD参加政党とともに、1990年8月11日に西ドイツ側の自由民主党に吸収合併される形でその役割を終えました。この合併は、ドイツ再統一に先駆けて行われたものでした。

ドイツ・フォーラム党は、短命ながらも東ドイツの民主化とドイツ再統一という歴史的な転換期において、独自の足跡を残した政党として記憶されています。自由主義的な価値観を掲げ、東ドイツ社会の変革を目指したその活動は、再統一後のドイツの政治にもわずかながら影響を与えたと言えるでしょう。

関連項目

自由主義
自由民主主義

外部リンク

* Chronik der Wende - Deutsche Forumpartei （ドイツ語）

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