ドイツ国際モーターショー

IAA(国際自動車展示会):自動車産業の歴史を彩るショーケース

IAA（Internationale Automobil-Ausstellung）は、ドイツで開催される世界屈指の自動車ショーです。ドイツ自動車工業会(VDA)が主催し、乗用車ショーと商用車ショーの2種類があります。

会場と名称の変遷

1897年のベルリンでの開催以来、長年にわたりフランクフルトを主な会場としていましたが、1992年からは、偶数年をハノーファーで商用車ショー、奇数年をフランクフルトで乗用車ショーとバイクのショーを開催する体制に移行しました。特にフランクフルトで開催された乗用車ショーは、「フランクフルトモーターショー」として広く知られていました。

しかし、2021年からは、[乗用車]]ショーの会場がフランクフルトからミュンヘンに移転、それに伴い「IAAモビリティ(IAA MOBILITY)」と改称されました。商用車ショーは「IAAトランスポーテーション(IAA TRANSPORTATION)」と改名され、ハノーファーでの開催が継続されています。[[国際自動車工業連合会]がIAAの日程を決定しています。

歴史を彩る出来事

IAAの歴史は、自動車産業の発展と深く関わっています。以下に、歴史におけるいくつかの重要な出来事を挙げます。

1897年: ベルリンのホテル・ブリストルで最初の展示会開催。
1923年: ディーゼルエンジン搭載トラック初出展。
1921～1926年: 第一次世界大戦の影響で、国内展示会に。
1939年: 第二次世界大戦直前、後に「ビートル」と呼ばれるフォルクスワーゲンが初出展。
1950年: 戦後初の開催。
1951年: 開催地をフランクフルトに変更。
1965年: 日本車初出展。
1971年: オイルショックの影響を考慮し、政治的介入により中止。
1975年: 来場者数約80万人を記録。
2003年: 本田技研工業が自社製ディーゼルターボエンジン搭載のアコードツアラーを出展。
2007年: スバルが水平対向ディーゼルエンジンを出展。
2021年: 乗用車ショーの会場がフランクフルトからミュンヘンに変更。

各年の開催概要

ここでは、2005年、2007年、2009年のIAAの開催概要を簡単に紹介します。

2005年

約94万人の来場者数を記録。アウディQ7、メルセデス・ベンツSクラス(W221)、ポルシェケイマンなど多くの新型車が発表されました。BMW Z4クーペコンセプトなどのコンセプトカーも多数展示されました。

2007年

「持続可能なモビリティ」をテーマに開催。アストンマーティンDB9、アウディA8、BMW X6、メルセデス・ベンツMクラスML450ブルーテックハイブリッドなど、多くの新型車が発表されました。特に、欧州メーカーのハイブリッド車・電気自動車への関心の高まりが注目されました。メルセデス・ベンツは7種類のハイブリッドカーを出展し、オペルはプラグインハイブリッドカーを出展するなど、各社が積極的に環境技術をアピールしました。

2009年

「電化」がテーマとなり、多くのメーカーが最新バッテリー技術を採用した自動車を出展しました。アルファロメオ・ミトクワドリフォリオ・ヴェルデ、アウディR8スパイダー、BMW 7シリーズアクティブハイブリッド、フェラーリ458イタリア、そして多くのハイブリッド車やコンセプトカーが発表されました。

2011年以降

2011年以降もIAAは継続して開催されていますが、2019年にはドイツ勢や多くの海外メーカーが参加を縮小、2021年には会場をミュンヘンに移転、モビリティ全体を視野に入れた新たなショーへと進化を遂げています。

IAAの重要性

IAAは、世界中の自動車メーカーが最新の技術やデザインを披露する場として、自動車産業の動向を示す重要なイベントです。その歴史と変遷は、自動車産業そのものの歴史と密接に繋がっていると言えるでしょう。今後のIAAの動向にも注目が集まります。

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