アルファロメオ・ミト

アルファロメオ ミト (MiTo)

アルファロメオがかつて手がけたミトは、小型の2ボックスハッチバッククーペとして、市場でスポーツ性とプレミアム感を兼ね備えた存在です。2008年6月19日にミラノのスフォルツェスコ城で初めて姿を現し、すぐにその魅力を認知されました。ミトは、フィアット・グランデプントのプラットフォームを共有するため、Bセグメントに位置づけられ、上品でありながらスポーティな印象を与える車両となっています。

機能と性能

ミトに搭載されるエンジンは、全て直列4気筒形式で、ガソリンエンジンは複数の選択肢が用意されています。本国イタリアでは、1.4リッターのエンジンが4種のバリエーションから選べ、その中には自然吸気のモデルとマルチエアターボモデルが含まれます。また、ディーゼルエンジンも搭載され、こちらは1.3リッターと1.6リッターの2種類がラインナップされています。特に、1.4リッターのマルチエアターボエンジンは、クアドリフォリオヴェルデの特別仕様として位置づけられており、その性能は170馬力にも達します。

トランスミッションは、当初はマニュアルのみの設定でしたが、2010年にはアルファロメオ初の6速デュアルクラッチオートマチック（アルファTCT）も導入されました。駆動方式は横置きのフロントエンジンを採用し、前輪駆動の形です。

D.N.Aシステム

このモデルの特筆すべき点は、運転状況やドライバーの好みに応じて走行モードを選択できる「D.N.Aシステム」です。シフトレバーの近くに配置されたスイッチを使って、ダイナミック、ノーマル、オールウェザーの3つのモードに切り替えられます。これにより、エンジンやパワーステアリングの反応を変え、安全運転が可能になります。さらに、クアドリフォリオヴェルデにはオプションとして、ダイナミックサスペンションが連動しており、ショックアブソーバーの減衰力を調整することができます。

日本市場での展開

日本では2009年にミトが発表され、同年5月から正式に販売が開始されました。導入されたのは、155PSを発揮する1.4L DOHCターボエンジンを搭載した1.4Tスポルトのみで、ボディカラーは限定的に設定されていました。安全装備も充実しており、サイドエアバッグやカーテンシールドエアバッグ、VDCなどが標準装備され、ブレンボ製のブレーキキャリパーも採用されましたが、リアシートやユーティリティ面では制約も見受けられる仕様でした。

特別仕様車と進化

2009年秋には、150台限定のイモラリミテッドが登場し、専用のボディカラーや装備が施されました。また、2010年に販売開始となったクアドリフォリオヴェルデは、ミトの最強クラスのスポーツバージョンとして期待されました。

さらに、アルファTCTとマルチエアエンジンを搭載したモデルも登場し、出力を向上させつつも、レスポンスを高めた走行性能を実現。このモデルの登場に伴い、初期モデルの1.4Tスポーツは販売を終了しました。

MiTo GTA

2009年のジュネーブショーでは、ミトのGTAコンセプト車も発表され、240PSを発揮するエンジンを搭載し、軽量化に配慮した設計が特徴的でした。ミトは今も多くのファンに支持されており、スポーティな走行性能と洗練されたデザインが魅力を放ち続けています。

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