合同教会

合同教会とは

合同教会（ごうどうきょうかい、英語: United and uniting churches）とは、キリスト教の中でも、主にプロテスタントの複数の教派が合同して設立された教会のことを指します。世界各地に様々な形態の合同教会が存在し、それぞれ異なる歴史的背景や成立経緯を持っています。

合同教会の特徴

合同教会は、既存の教派の枠を超えて、キリスト教信仰における一致を追求する目的で設立されることが多いです。そのため、教義や礼拝様式などにおいて、合同前の各教派の伝統を受け継ぎつつも、新たな独自の要素を取り入れている場合があります。

世界の合同教会

世界には数多くの合同教会が存在します。以下に代表的な例を挙げます。

日本基督教団 (United Church of Christ in Japan)：第二次世界大戦中に日本のプロテスタント諸教派が合同して成立した、日本最大の合同教会です。
三自愛国教会 (三自爱国教会)：中国におけるプロテスタント諸教派が合同して成立した教会です。国家の影響を受けて設立されたという点で、日本基督教団と共通点があります。
バングラデシュ教会 (Church of Bangladesh)：バングラデシュにおける複数のプロテスタント教派が合同して成立した教会です。
パキスタン教会 (Church of Pakistan)：パキスタンにおける複数のプロテスタント教派が合同して成立した教会です。
北インド教会 (Church of North India)：インド北部における複数のプロテスタント教派が合同して成立した教会です。
南インド教会 (Church of South India)：インド南部における複数のプロテスタント教派が合同して成立した教会です。北インド教会と並び、インドにおける主要な合同教会の一つです。
ドイツ福音主義教会 (Evangelical Church in Germany)：ドイツにおける複数のプロテスタント教派の連合体です。
カナダ合同教会 (United Church of Canada)：カナダにおける複数のプロテスタント教派が合同して成立した教会です。
キリスト連合[[教会]] (United Church of Christ)：アメリカ合衆国における複数のプロテスタント教派が合同して成立した教会です。
オーストラリア合同教会 (Uniting Church in Australia)：オーストラリアにおける複数のプロテスタント教派が合同して成立した教会です。

これらの他にも、世界各地に多くの合同教会が存在し、それぞれが独自の歴史と特徴を持っています。

日本における合同教会：日本基督教団

日本では、第二次世界大戦中に国家の圧力によって、プロテスタント諸教派が合同して日本基督教団が設立されました。その経緯は以下の通りです。

1. 宗教団体法の制定：1939年に制定、1940年に施行された宗教団体法は、宗教団体に対する国家統制を目的としていました。この法律によって、教団の認可基準として教会数50、教会員数5千が求められました。
2. 教会合同への動き：1940年7月に救世軍にスパイ容疑がかけられた事件が報道されると、教会合同の動きが加速しました。
3. 合同の宣言：1940年10月、青山学院校庭で皇紀2600年奉祝全国基督教信徒大会が開催され、「われらは全基督教会合同の完成を期す」と宣言されました。同時に、宮城遥拝や神社参拝も行われました。
4. 日本基督教団の創立：1941年6月、日本基督教団創立総会が富士見町教会で開催され、日本基督教団が正式に発足しました。
5. 合同の完成：1942年6月にホーリネス[[教会]]弾圧事件が起こると、同年11月の日本基督教団第一回総会で部制が解消され、完全に合同教会が成立しました。

日本基督教団は、第二次世界大戦直後にはカナダ合同教会や南インド合同教会と並んで、外国から理想的な教会と称賛されました。しかし、その後、一部の教会が離脱したものの、戦後も日本最大の合同教会として活動を継続しています。

その他の事例

東方教会（正教会・東方諸教会）の一部がローマ教皇の権威を認めてカトリック[[教会]]に組み入れられた東方典礼カトリック[[教会]]も「教会の合同」と表現されることがあります。しかし、プロテスタントの文脈で「合同教会」という言葉を使う場合は、通常は複数のプロテスタント教派の合同を指します。

まとめ

合同教会は、キリスト教における一致を追求する運動の結果として生まれた、多様な形態を持つ教会です。世界各地で様々な経緯を経て設立されており、それぞれの教会が独自の歴史と特徴を有しています。日本においては、日本基督教団が戦時下の国家統制という特殊な状況下で設立されたものの、現在も活動を続けています。

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