ドイツ民主共和国の首相

ドイツ民主共和国の首相（閣僚評議会議長）について

ドイツ民主共和国（東ドイツ）における行政府の長は、時代や憲法改正によって呼称が異なりました。ここでは、その変遷と役割について解説します。

概要

東ドイツは、ソビエト連邦と同様にソ連型社会主義体制を敷いていました。ドイツ社会主義統一党（SED）が事実上の一党独裁体制を築き、人民民主主義国として機能していました。国家元首に相当する国家評議会、内閣に相当する閣僚評議会が存在しましたが、国政の実権はSED中央委員会書記長が握っていました。1989年の民主化以前は、党の指導の下で国政が行われていました。

「閣僚評議会議長」(Vorsitzender des Ministerrats)という名称は、1968年の憲法改正で東ドイツが社会主義国を宣言した際に採用されました。それ以前は、「総理大臣」（あるいは「大臣主席」。独: Ministerpräsident）とされていました。初代首相のオットー・グローテヴォールは、厳密には閣僚評議会議長ではなく、総理大臣、または「大臣主席」でした。

選出方法と任期

閣僚評議会議長は、人民議会の最大会派（通常はSED）によって推薦され、人民議会が組閣を委託する形で選出されました（憲法第79条(1)）。

人民議会の選挙は、SEDが常に最大多数を占めるように制度化された統一名簿による信任投票制でした。そのため、民主化以前はSEDからしか議長が選出されない仕組みとなっていました。

閣僚評議会議長および構成員は、人民議会の新選挙後、人民議会によって5年の任期で選出されました（憲法第79条(2)）。

歴代閣僚評議会議長

歴代の閣僚評議会議長については、別途詳細な情報をご参照ください。

脚注

注釈

特記事項はありません。

出典

参考文献をご参照ください。

参考文献

高田敏・初宿正典 訳『ドイツ憲法集（第6版）』信山社出版、2010年。ISBN 978-4-7972-2418-4。

関連項目

ドイツ民主共和国の最高指導者
ドイツ民主共和国国家評議会議長
ドイツ民主共和国
ドイツ社会主義統一党
ドイツの首相
* ソビエト連邦の首相

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