ドコモパシフィック

ドコモパシフィック（DOCOMO PACIFIC, INC.）とは

ドコモパシフィックは、アメリカ合衆国領のグアムと北マリアナ諸島で電気通信事業を行う会社です。現在はNTTドコモの完全子会社として、地域社会の通信インフラを支えています。

歴史

ドコモパシフィックのルーツは、グアムでGSM方式の携帯電話事業を行っていたグアムワイヤレス（HafaTELブランド）と、グアムとサイパンでCDMA方式の携帯電話事業を展開していたグアムセルラー（Guamcell Communications、Saipancell Communicationsブランド）の2社に遡ります。

2006年、NTTドコモは投資持株会社を通じてグアムセルラーを完全買収し、さらにグアムセルラーがグアムワイヤレスの事業を譲り受ける形で両社を統合。これにより、NTTドコモ傘下に入りました。2008年には社名を現在のドコモパシフィックに変更し、新たなスタートを切りました。

当初はNOKIA、モトローラ、HTC、BlackBerryといった端末を扱っていましたが、後にケーブルテレビやISP事業も手がけるようになり、総合通信事業者としての地位を確立しました。

通信方式

ドコモパシフィックは、GSM、CDMA、W-CDMA、LTE、そして5Gといった多様な通信方式に対応しています。

GSM: 1900MHz帯と850MHz帯を使用。2018年10月にサービスを終了。
CDMA: 旧グアムセルラーが提供していた方式。2010年12月にサービスを終了。
W-CDMA: 2008年7月にサービス開始。850MHz帯を使用。
LTE: 2012年10月よりサービス開始。700MHz帯を使用。
5G: 2019年10月にマリアナ諸島初の商用サービスを開始。NTTドコモ本体よりも早い導入となりました。

W-CDMAとLTEについては、日本国内で販売されている端末をローミングで利用する場合、対応周波数帯に注意が必要です。

その他のサービス

ドコモパシフィックでは、以下のようなサービスも提供しています。

海外パケ・ホーダイ: 2010年9月よりNTTドコモの国際パケット定額サービスに対応。
iモードローミング: 2007年9月よりグアムでiモードローミングサービスを開始。
ドコモプレミアクラブ: 2007年10月より優待サービスを提供開始。
* MAX CHANNEL: 2009年12月より、iチャネルをグアムとサイパンで提供開始。

また、ドコモの子会社でありながら、ソフトバンクモバイル、KDDI、イー・モバイルのローミングにも対応しています。

最新技術の導入

ドコモパシフィックは、最新技術の導入にも積極的です。2019年には5Gの検証環境「ドコモ5Gオープンラボ GUAM」を開設し、同年10月には5Gの商用サービスを開始しました。これにより、グアムの通信インフラはさらなる進化を遂げています。

まとめ

ドコモパシフィックは、グアムと北マリアナ諸島における通信インフラを支える重要な企業です。携帯電話事業から総合通信事業者へと成長し、最新技術の導入にも積極的です。地域社会の発展に貢献する存在として、今後もその動向が注目されます。

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