ドッグセラピー

ドッグセラピーとは

ドッグセラピーは、動物介在療法（アニマルセラピー）の一種で、特別な訓練を受けた犬（セラピードッグ）と触れ合うことを通して、人々の心身の健康をサポートする活動です。高齢者、認知症の方、自閉症の方など、様々な人々を対象としたリハビリテーションプログラムとして実施されるほか、一般の人々が犬と触れ合うことで精神的な安定や運動機能の回復を目指す活動も含まれます。また、虐待や遺棄などで傷ついた犬のリハビリテーションにも応用されています。

ドッグセラピーの種類

ドッグセラピーは、目的や対象によって以下の3つの種類に分類されます。

AAA（動物介在活動）

動物介在活動は、治療を目的とせず、犬との触れ合いを楽しむレクリエーションです。参加者の情緒的な安定やQOL（生活の質）の向上を主な目的としています。老人ホームでの訪問活動などが代表的で、犬と触れ合う環境を提供することで、心理的な好影響をもたらすとされています。一度に多数の参加者を対象とできるのが特徴です。

AAT（動物介在療法）

動物介在療法は、医療現場で専門的な治療行為として行われる補助療法です。医師や作業療法士などの医療従事者の主導のもと、対象者の心身のリハビリテーションを目的としています。対象者の状況やニーズに合わせて個別の改善目標を定め、適切なセラピードッグとハンドラーを選んで治療を行います。治療後は効果の評価も行われます。AATに従事するセラピードッグとハンドラーは、2年以上の訓練期間を要します。

AAE（動物介在教育）

動物介在教育は、幼稚園や小学校などを訪問し、子供たちに動物との正しい触れ合い方や命の大切さを学んでもらうための活動です。生活科や総合学習などのプログラムとして取り入れられることが増えています。

セラピードッグとは

セラピードッグとは、人との触れ合いを通じて、病気や怪我、精神的な痛手を受けた人の不安を軽減し、心身の機能を回復させるために高度な訓練を受けた犬のことです。AAA、AAT、AAEのいずれにおいても、対人コミュニケーション能力が十分に訓練されていることが重要です。また、それぞれのプログラムに沿った役割を果たすことができるよう、信頼できる機関での訓練が不可欠です。犬種による制限はありませんが、一般的には、ゴールデンレトリバーやラブラドールレトリバーなどの大型犬が採用されることが多いです。