ドッグ・デイズ

ドッグ・デイズ (Dog Days)

ドッグ・デイズとは、英語で「dog days」、ラテン語では「diēs caniculārēs」として知られ、年間を通じて最も暑さが厳しくなる時期、すなわち「真夏」や「盛夏」を指し示す言葉です。

期間

この最も暑い時期とされる期間は、地球の南北で異なります。北半球においては、一般的に7月上旬から8月中旬ごろまでがドッグ・デイズにあたるとされます。一方、南半球では季節が逆になるため、1月上旬から2月中旬ごろがこれに該当します。

語源

「ドッグ・デイズ」という名称の由来は、天文学的な現象に基づいています。夏の最も暑い時期、北半球ではおおいぬ座の中で最も明るい恒星であるシリウスが、日の出とともに空に現れ、日の入りとともに沈むようになります。古代の人々は、この「犬の星」とも呼ばれるシリウスの昇降が、地上の気温上昇と関連があると考えました。シリウスの強い輝きが、夏の暑さを増幅させると信じられていたことが、この言葉の起源とされています。

歴史と文化

ドッグ・デイズという概念は、古代ローマ時代にまで遡ります。古代ローマでは、この期間を具体的に定めており、例えば7月24日から8月24日まで、あるいは7月23日から8月23日までとされていました。この期間は、暑さだけでなく、病気の流行などとも結びつけられることがありました。現代においても、ドイツ、フランス、イタリアといった多くのヨーロッパ諸国では、この伝統的な期間や、あるいは夏の最も暑い時期全般を指して「ドッグ・デイズ」と呼ぶ習慣が残っています。

シリウスが地平線上に昇り始める時期は、地域や時代によって微妙に変動しますが、その星の動きと酷暑を結びつける考え方は、古代からの天体観測に基づく知恵であり、現代まで受け継がれる言葉の背景となっています。

関連語

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