ドマニシ

ドマニシの概要

ドマニシ（グルジア語: დმანისი）は、ジョージアのクヴェモ＝カルトリ州に位置する集落で、考古学的に非常に意義深い場所です。首都トビリシから南西へ約93キロメートル、マシャヴェラ河谷に位置しています。ここは、アフリカ以外で見つかる最古の人類遺跡として認識され、約181万年前の人類の痕跡があることが確認されています。また、ドマニシからは「ドマニシ原人」として知られる初期人類の化石が発掘されています。

歴史的背景

ドマニシ地域には、初期青銅器時代から集落が存在していたとされていますが、文書に最初に登場するのは9世紀のアラブ支配期のことです。7世紀のイスラーム支配以前、ジョージアではキリスト教が広がっており、6世紀にはドマニシにキリスト教正教会の大聖堂「ドマニシス＝シオニ」が建立されました。この時期、ドマニシは物品や文化交流の重要な結節点として注目され、中世にはジョージアの主要な商業都市へと成長しました。

11世紀末にはセルジューク朝によって征服されましたが、1123年から1125年の間にダヴィド4世によって奪還されます。ただし、14世紀にティムールの襲撃や1486年のトルクメン人の攻撃により街は壊滅的な被害を受け、その後は長期間にわたりほとんど人が住まない寒村となりました。ドマニシの城は、ジョージアの名家オルベリアニ家によって統治されていました。

考古学的遺跡としての重要性

ドマニシの考古学的調査は1936年から始まり、1960年代まで続けられました。この間、数多くの古代および中世の人工物が発見されましたが、特に注目すべきは先史時代の人類や動物の骨です。1983年には、出土した動物の骨が研究され、絶滅したサイの一種であるDicerorhinus etruscusの歯に相当することが判明しました。この種は更新世の前半期にまでさかのぼると推定されています。

1984年には旧石器時代の遺物も発見され、ドマニシはさらなる学者の関心を集めるようになりました。また、ここから出土する石器はアシューリアンに特徴的なハンドアックスを含まず、オルドワン型の石器インダストリーに分類されています。

ホモ・ゲオルギクスの発見

さらに重要な発見は、1991年から2005年にかけて行われた初期人類の化石の発掘です。これらの骨は「ホモ＝エレクトゥス＝ゲオルギクス」または「ドマニシ原人」と呼ばれ、約180万年前に生息していたと考えられています。今ではホモ・エレクトスの亜種であるとされ、この地域における初期人類の代表的な化石とされています。

これまでに4つの骨格が発見されており、四肢や脊椎は比較的発達していますが、上体は原始的な形態を保っています。ドマニシ原人の発見以前は、アフリカで誕生した人類が他の大陸に進出したのは約100万年前であると考えられていました。しかし、ドマニシでの発見により、ホモ・エレクトスが誕生してから間もなく、出アフリカが行われた可能性が強まっています。

このように、ドマニシはただの集落ではなく、人類の歴史や文化の発展において非常に重要な役割を果たしていることが分かります。

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