ドラ (麻雀)

麻雀のドラとは？：アガリを彩るボーナス牌の徹底解説

麻雀におけるドラとは、アガった時に得点（翻）が加算される特別な牌のことです。リーチと並び、日本独自の麻雀ルールを特徴づける要素の一つであり、ゲームに大きな影響を与えます。ここでは、ドラの基本から種類、戦略までを詳しく解説します。

ドラの基本

ドラは役とは異なり、ドラがあるだけではアガることはできません。あくまでアガった際のボーナスとして扱われます。ドラ1枚につき1翻が加算され、手牌または副露した牌の中にドラが含まれている場合に適用されます。ドラは麻雀の偶然性を高める要素であり、ゲーム展開を左右する重要な要素です。

競技麻雀などでは、実力差が出やすいように、裏ドラや槓ドラを認めないルールが採用されることもあります。

ドラの歴史

ドラの起源は昭和20年代初期の関西のブー麻雀にあるとされています。終戦後の引き揚げ者が持ち込んだ満州のルールが起源という説や、ブー雀荘自体が考案したという説があります。当初は、アガった後に山の端をめくり、同じ牌があれば加点されるというルールでした。その後、1枚1翻として扱われるようになり、現在の形に落ち着きました。

ドラは地域によって「懸賞牌」や「芸者」とも呼ばれていました。現在では「芸者」という呼び方は廃れていますが、関西では「ケンパイ」（懸賞牌の略）という呼び名が残っています。

ドラという用語は英語の「ドラゴン (Dragon)」に由来しますが、英語圏では「ドラゴン」は三元牌（白・發・中）を指します。

裏ドラは関西と関東で導入時期が異なり、関西では昭和30年代、関東では昭和40年代に導入されました。
槓ドラは、ドラが全て捨てられた場合やドラの槓によってドラが使い切られた場合に新しくドラ表示牌をめくるというルールから発生したとされています。

ドラの決定方法

ドラは、ドラ表示牌によって決定されます。

1. 開門: 親がサイコロを2つ振り、出目の合計位置から数えて、牌山を崩します。
2. ドラ表示牌: 崩した場所から右に数えて3つ目の牌の上段の牌を、表向きに公開します。これがドラ表示牌となります。
3. ドラ: ドラ表示牌の次（ネクスト）の牌がドラです。

ドラ表示牌とドラの関係は以下の通りです。

数牌
ドラ表示牌がの場合、ドラはです。
ドラ表示牌がの場合、ドラはです (9の次は1とみなします)。
字牌
ドラ表示牌がの場合、ドラはです (東南西北の順)。
ドラ表示牌がの場合、ドラはです (白發中の順)。

ドラ表示牌が北の場合、ドラは東。中（チュン）がドラ表示牌の場合、ドラは白となる点に注意が必要です。

三人麻雀では、萬子の数牌を使用しない場合、がドラ表示牌の時はがドラになります。また、抜きドラとしても使用する場合は、一萬の表示でドラは五萬、五萬の表示でドラは九萬となります。

初期のドラは、ドラ表示牌そのものをドラとする「現物ドラ」というルールでした。これは現在では廃れています。

ドラの種類

表ドラ

開局時に最初に表示されるドラが表ドラです。「オモドラ」「オモ」と略されることもあります。槓によってドラが増えている場合は、最初の表ドラを「元ドラ」と呼ぶことがあります。

裏ドラ

リーチをかけてアガった場合にのみ、ドラ表示牌の下の牌が裏ドラ表示牌となり、その次位牌が裏ドラとなります。アガるまで何が裏ドラかはわかりません。裏ドラの権利を放棄することも可能です。

槓ドラ

槓（カン）が発生した場合に追加されるドラです。槓ドラ表示牌をめくるタイミングはルールによって異なります。

1. 暗槓の場合は嶺上牌を取得した時点、明槓の場合は打牌した時点でめくる。
2. 暗槓、明槓に関わらず、嶺上牌を取得した時点でめくる。

フリー雀荘などではトラブルを避けるため、「槓ドラ即乗り」のルールが多いです。

槓ウラ

槓ドラがある状態でリーチをかけてアガった場合、槓ドラ表示牌の下の牌も裏ドラ表示牌として扱います。槓が1回入っている場合、ドラは元ドラ・槓ドラ・元ウラ・槓ウラの計4種類になります。

特殊なドラ

赤ドラ

五萬・五筒・五索の図柄の一部を赤くした牌です。常にドラとして扱われます。赤ドラは偶然性を高める要素として人気があり、多くのルールで採用されています。赤ドラには以下のようなバリエーションがあります。

五筒に2枚、萬子と索子には入れない（関西式）。
五筒に2枚、五萬と五索に1枚ずつ入れる（関東式と関西式を合わせた形）。
五萬・五筒・五索にそれぞれ2枚ずつ入れる。

抜きドラ

三人麻雀で、北、一萬、九萬などの牌をドラとして扱うことがあります。これらの牌をツモってきた場合、晒して嶺上牌から補充します。抜きドラには以下のようなバリエーションがあります。

北のみを抜きドラとする。
北、一萬、九萬の3種類を抜きドラとする。
北、一萬、九萬、五萬の4種類を抜きドラとする。

花牌

春夏秋冬・梅蘭菊竹と書かれた牌です。抜きドラの一種で、抜いたら嶺上牌から補充します。面子や雀頭として使用することはできません。

白ポッチ

白（白板）の中央に窪みをつけた牌です。リーチ一発ツモで引いた場合にのみオールマイティになる特殊牌です。ドラとして扱うルールもあります。

ドラに関する戦略

手作りにおいては、ドラを有効に活用することが重要です。スピードを優先する現代麻雀では、手役よりもドラを重視する傾向があります。ドラやドラの隣の牌（ドラそば）は、危険牌とみなされることが多いですが、状況によっては安全な場合もあります。

ドラの扱い方は打ち手によって異なり、不要なドラを早めに切る人もいれば、打点やバランスを優先してドラを抱える人もいます。局単位では、ドラの出方で相手の手の内を推測することも可能です。

ドラの最大枚数

理論上、最大でドラ40という状況も存在しえます。
四回の槓が起こっている状況（四回目の槓の直後か、四槓子の聴牌者がいる時）では、元ドラと元ウラに加えて4種類の槓ドラと4種類の槓ウラが発生し、計10種の牌がドラとなるためです。

まとめ

ドラは麻雀の面白さを引き出す重要な要素です。ドラの種類や戦略を理解することで、より麻雀を楽しめるようになるでしょう。

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