副露

副露（フーロ）とは

麻雀における副露（フーロ）とは、他のプレイヤーの打牌を利用して、自分の手牌で面子（メンツ）を完成させる行為のことです。主にチー、ポン、カン（大明槓）の3種類があります。「鳴く」「食う」「晒す」「叩く」「仕掛ける」などとも呼ばれます。

広義には、暗槓や加槓を含めて副露と呼ぶこともあります。ただし、暗槓は門前（メンゼン）とみなされるため、暗槓のみの場合は立直（リーチ）をかけることができます。

ロンは他のプレイヤーの打牌で和了（ホーラ）することであり、副露とは別の行為です。ただし、ロン和了した場合でも、特定の条件下では副露として扱われることがあります。

副露をしていない状態を門前（メンゼン）と言います。

副露の種類

チー

手牌に順子（シュンツ）のタネがある場合、上家（カミチャ：左側のプレイヤー）の捨て牌をもらって順子を完成させることをチーと言います。

手順

1. 上家の打牌後、「チー」と発声します。
2. 手牌から該当する2枚の牌を公開し、チーする牌とともに卓の右側に並べます（晒す）。
3. 手牌から不要な牌を1枚捨てます。

チーした牌は、どの牌をチーしたかを明確にするため、横向きにして晒します。

注意点

チーは上家からのみ可能です（対面・下家からはチーできません）。
三人麻雀ではチーはできません。
ポンやカンとチーが重なった場合、ポン・カンが優先されます。ただし、発声の早さで決めるルールもあります。
チーをする前に、暗槓や加槓をすることはできません。

チーによって完成した順子は明順子（ミンシュンツ）と呼ばれますが、符計算において暗順子との区別はなく、符は付きません。

ポン

手牌に刻子（コーツ）のタネ、つまり同じ種類の牌が2枚（対子：トイツ）ある場合、誰の捨て牌でももらって刻子を完成させることができます。

手順

1. 他家の打牌後、すぐに「ポン」と発声します。
2. 手牌から該当する2枚の牌を公開し、ポンする牌とともに卓の右側に並べます（晒す）。
3. 手牌から不要な牌を1枚捨てます。

ポンした場合、誰からポンしたかを明確にするため、晒し方にルールがあります。

上家からポンした場合：左側の牌を横向きにする
対面からポンした場合：中央の牌を横向きにする
下家からポンした場合：右側の牌を横向きにする

注意点

チーと同様に、ポンをする前に暗槓・加槓をすることはできません。

ポンによって成立した刻子は明刻子（ミンコーツ）と言い、符計算では么九牌なら4符、中張牌なら2符となります（暗刻子の半分）。

大明槓（ダイミンカン）

手牌にすでに刻子があり、誰かがその刻子と同じ牌を捨てた場合、その牌をもらって槓子（カンツ）にすることを大明槓と言います。

特徴

チーやポンと異なり、打牌の前に続けて暗槓・加槓を行うことができます。

発声の優先順位

複数のプレイヤーが同時にチー、ポン、カン、ロンをしようとした場合、ロン > ポン・カン > チーの順に優先されます。ただし、発声のタイミングが著しく異なる場合は、早い方が優先されることもあります。

食い替え（クイガエ）

既に完成している面子をわざと崩して一部を副露し、直後に元々あった牌を捨てることを食い替えと言います。

例

345の順子があり、6をチーして3を捨てる（筋食い替え）。
333の刻子があり、3をポンして3を捨てる（同一牌食い替え）。

食い替えは役作りやドラとの入れ替えなど、戦略的な理由で行われることがありますが、禁止されているルールも多いです。食い替えをするとアガリ放棄になる場合もあります。

副露のメリット・デメリット

メリット

手を進めやすくなる
他家の立直（リーチ）を阻止できる
他家の役を潰せる
同巡内振聴を解消できる

デメリット

狙いが読まれやすくなる
打牌の自由度が減る
立直がかけられなくなる
和了時の点数が低くなることが多い
他家のツモ番を早める可能性がある

役の消滅

副露すると、立直、一発、平和（ピンフ）、一盃口（イーペーコー）、二盃口（リャンペーコー）、四暗刻（スーアンコ）、九蓮宝燈（チューレンポートウ）などの役が消滅します。タンヤオはルールによって成立する場合としない場合があります。

食い下がり（クイサガリ）

副露した場合、三色同順、一気通貫、混全帯么九（チャンタ）、純全帯么九（ジュンチャン）、混一色、清一色などの役は1翻下がります。これを食い下がりと言います。

実戦における副露

麻雀では、4面子1雀頭の形が揃っても、役がなければ和了できません。副露する場合は、役を意識して行う必要があります。

副露の分類

Aグループ：役牌（ヤクハイ）のポン
Bグループ：中張牌（チュンチャンパイ）のみによるチー・ポン
Cグループ：老頭牌（ラオトウパイ）を含むチー
Dグループ：老頭牌・客風牌（オタカゼハイ）のポン
* Eグループ：大明槓

それぞれのグループによって、戦略や注意点が異なります。

まとめ

副露は麻雀の戦略において重要な要素の一つです。メリット・デメリットを理解し、状況に応じて適切な判断をすることが、勝利への鍵となります。

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