ドラゴンクエスト&ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial

『ドラゴンクエスト＆ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial』： 夢の競演と新たなゲーム性

『ドラゴンクエスト＆ファイナルファンタジー in いただきストリートSpecial』（以下、いたストSP）は、スクウェア・エニックスより発売された、人気のボードゲーム『いただきストリート』シリーズの5作目にあたる作品です。スクウェアとエニックスの合併後、初めて両シリーズのキャラクターたちが共演を果たした記念碑的なタイトルと言えるでしょう。

両シリーズの魅力が凝縮された世界

本作は、ドラゴンクエストシリーズ（ドラクエ）とファイナルファンタジーシリーズ（FF）の世界観、キャラクター、そして音楽をふんだんに取り入れています。おなじみの楽曲は、ドラクエ1作目は東京弦楽合奏団、2～5作目は東京都交響楽団によるオーケストラ演奏で、8作目は原作音源を収録。FFシリーズの楽曲は松尾早人氏による編曲版が使用されています。（ただし、ドラクエ6、7の楽曲は使用されていません）当時まだ未発売だった『ファイナルファンタジーXII』からのキャラクターやマップ、楽曲も先行して登場しており、ファンにはたまらない要素が満載です。

初心者にも優しいゲームバランス

いたストSPでは、RPGにおける表現に近づけるため、従来のゲーム内用語が変更されています。「サラリー」は「賞金」、「周回数」は「レベル」など、より親しみやすい表現に改められています。物件価格も全体的に安価に設定されており、初心者でも破産しにくく、安心してプレイできるようゲームバランスが調整されています。さらに、勝利条件の変更（目標金額に到達し最初に銀行へ帰還したプレイヤーの勝利）や、買い物料表示桁数の変更など、細かい部分にも改良が加えられています。

多彩なマップと戦略性

ゲームマップは、過去作のドラクエ、FFシリーズに登場した名所が、各シリーズ9ヶ所ずつ登場します。前作と比較して、マップの仕掛けはオーソドックスなものになっていますが、分岐路が多く、ルート選択の自由度が高いのが特徴です。高額物件への誘導が難しくなっているマップもあり、戦略性も増しています。CPUキャラクターのAIも改良され、低ランクのキャラクターは一度に大量の株を購入したり、大量増資を行わなくなるなど、より現実的な行動をとるようになっています。

新要素：スフィアバトル

いたストSPでは、隠しモードとして「スフィアバトル」が搭載されています。これは、『ファイナルファンタジーX』に登場する「スフィア」を用いた、独自のゲーム性を持つモードです。6つのスフィアを自由に組み合わせ、スフィアダイスを振ることで、様々な効果を発動させながら勝利を目指します。スフィアの効果は、移動速度の増加、所持金の増加、相手の妨害など多岐に渡り、戦略の幅を広げています。プレイヤーキャラクターの職業によって入手できるスフィアの種類や確率が異なるため、キャラクター選択も重要な要素となります。

個性豊かなキャラクターたち

いたストSPには、ドラクエ、FFシリーズから多くのキャラクターが登場します。各キャラクターは、それぞれ独自のプレイスタイルを持っており、株の購入、増資、相乗りなど、様々な戦略を用いてゲームを進めていきます。中には、原作とは異なる個性的な一面を見せるキャラクターも存在し、それぞれのキャラクターの特性を理解し、戦略に活かすことが勝利への鍵となります。

例えば、ドラクエシリーズからは、慎重なプレイスタイルの「クリフト」や、積極的に株を購入する「アリーナ」、FFシリーズからは、冷静な判断でゲームを進める「クラウド」、高額物件を狙う「ティファ」などが登場します。これらのキャラクターたちの個性を理解し、自身のプレイスタイルに合わせてチーム編成を行うことが重要となります。

多様なマップとやり込み要素

ゲームには多数のマップが用意されており、それぞれ異なる戦略が求められます。さらに、隠しキャラクターや隠しマップも存在し、やり込み要素も満載です。全キャラクター、全マップを制覇し、全ての謎を解き明かすには、相当なプレイ時間が必要となるでしょう。

まとめ

いたストSPは、ドラクエとFFの世界観が見事に融合した、戦略性とやり込み要素の高いボードゲームです。初心者にも優しく、熟練者にも奥深い魅力を提供する本作は、両シリーズのファンのみならず、ボードゲームファンにも強くおすすめできる一作と言えるでしょう。シリーズを通して培われたゲームシステムをベースに、両シリーズの要素が絶妙に調和し、新たなゲーム体験を生み出しています。

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