ドラゴンクエストI・II

ドラゴンクエストI・II：シリーズを代表する名作のリメイク

1986年から始まった国民的RPGシリーズ『ドラゴンクエスト』の第1作と第2作、『ドラゴンクエスト』と『ドラゴンクエストII 悪霊の神々』を1本のソフトにまとめたリメイク作品が、『ドラゴンクエストI・II』です。1993年にスーパーファミコン（SFC）用ソフトとして、エニックス（現スクウェア・エニックス）から発売されました。

スーパーファミコン版：シリーズ初のリメイク

SFC版『ドラゴンクエストI・II』は、シリーズにおいて初めて過去作をリメイクした作品という歴史的意義を持ちます。このリメイク版の成功は、その後数多くの旧作が最新のゲーム機でリメイクされる流れを作るきっかけとなりました。

この作品では、原作であるファミリーコンピュータ（FC）版、MSX版、MSX2版の世界観やストーリーはほぼそのまま踏襲されています。しかし、操作性の向上やゲームバランスの調整が施され、より快適に、そして遊びやすく改良されています。

具体的には、前年に発売された『ドラゴンクエストV 天空の花嫁』をベースに、キャラクター操作や画面仕様が改善されました。グラフィックも大幅に向上し、毒の沼が紫色になったり、町や城の壁や床の模様に変化が加えられたり、木漏れ日や靄といった演出も追加されるなど、より魅力的な世界が表現されています。

また、シリーズ定番の「べんりボタン」機能や、その場で装備可能な買い物システム、アイテム預かり所、世界地図（『II』）といった利便性向上のための要素も数多く取り入れられています。セーブシステムも、旧作のパスワード方式から、バッテリーバックアップによる「冒険の書」システムに変更され、3つまでのセーブデータを作成できるようになりました。

ゲームバランスの調整と追加要素

SFC版では、ゲームバランスの調整も大規模に行われています。具体的には、モンスターのステータスや行動パターン、獲得経験値やゴールドの増加、呪文の威力の強化などが挙げられます。特に、『II』では、北米版NES版にあったオープニングシーンや、サマルトリアの王子が病気で一時的にパーティから離脱するイベントなどが追加され、シナリオがより深く、そして魅力的になっています。

これらの変更により、SFC版はオリジナル版と比べてクリア難易度が下がっていますが、それでもやり応えのある冒険を楽しむことができるよう、絶妙なバランス調整がなされています。

ゲームボーイ版：携帯機で冒険

1999年には、ゲームボーイ（GB）版『ゲームボーイ ドラゴンクエストI・II』が発売されました。SFC版をベースに、携帯機ならではの機能が追加されています。

GB版では、いつでもゲームを中断できる「中断の書」機能が追加されました。これは冒険の書とは別に、一時的にゲームの進行状況を保存できる機能で、急な中断が必要な状況でも安心してプレイできます。ただし、中断の書は一度使用すると消えてしまうという点に注意が必要です。

また、マップ画面の表示範囲が狭くなったり、ボタン操作が変更されたり、戦闘背景が一部変更されたりと、処理能力の制約を考慮した調整が施されています。

HD-2Dリメイク版：現代によみがえる名作

そして、2025年には、最新の技術を用いたHD-2Dリメイク版『ドラゴンクエストI&II』がNintendo Switch、PlayStation 5|PlayStation_5、Xbox Series X/S|Xbox Series X_S、Steam、Microsoft Store on Windowsで発売予定です。往年の名作が、現代の技術でどのように生まれ変わるのか、今から期待が高まります。

まとめ

『ドラゴンクエストI・II』は、シリーズ初期の2作品を最新の技術でリメイクした、記念碑的な作品です。数々のリメイク版を経て、現代でも高い人気を誇る理由が、この作品には詰まっていると言えるでしょう。それぞれのバージョンで異なる魅力を持つこの作品を、ぜひプレイしてみてください。

もう一度検索