ドラド (SS-248)

USS Dorado (SS-248)

ドラド (USS Dorado, SS-248) は、アメリカ海軍に属するガトー級潜水艦の一隻であり、その名前はハワイのシイラ（英名Dolphinfish）のスペイン語名に由来します。この艦は、金色で輝くシイラの体色が名の由来とされています。

艦歴

ドラドは1942年の8月27日に、コネチカット州のグロトンにあるエレクトリック・ボート社で建造が始まりました。1943年の5月23日に進水し、艦長はアール・カフレイ・シュナイダー少佐が指揮を執り、同年の8月28日に正式に就役しました。就役後の試験を終え、同年10月6日にニューロンドンを出発してパナマ運河に向かいましたが、予定通りには到着しませんでした。

訓練中、潜水艦の周囲50海里の前方、100海里の後方及び両側15海里の海域については爆撃の規制が敷かれました。ところが、10月12日の晩にグアンタナモ湾から派遣された偵察機PBMマリナーが誤ってこの海域内の潜水艦に攻撃を加えました。偵察機から投下されたマーク47型爆雷と100ポンド爆弾は、誤った情報に基づいて行われたものでした。

その夜の攻撃によって、ドラドが沈められたのかどうか疑問が残ります。マリナーの乗員は、ドラドがその海域に存在することを知っており、慎重に観察を行っていましたが、攻撃は失敗に終わりました。実際、攻撃の直後には、水泡や残骸は確認されておらず、彼らの観察した潜水艦はドラドではなかった可能性が強まります。

謎の沈没

ドラドの捜索が始まるも、期待される発見はありませんでした。油の広がりや残骸が確認された後、調査委員会が設けられましたが、その結果は曖昧なものでした。油は自然のものであり、残骸はドラドに属さないとされました。さらに、偵察機の乗員は、攻撃対象の潜水艦はUボートであると確信していましたが、その後の調査により、ドラドの沈没原因は全くの謎のままとなりました。

一時は、ドラドが火災によって失われたという新たな説も浮上しました。さらに調査において、残骸がメキシコ湾にある可能性も示唆されましたが、時の経過とともにその位置は不明になりました。1980年代には、残骸がカリブ海で流されたとも報告されています。

ドラドへの追悼は、カンザス州ウィチタにあるベテランズ・メモリアル公園に碑が建立されており、艦の記憶は今なお生き続けています。また、2011年にはドラドに関する書籍も出版され、その歴史を語る材料となりました。

参考文献

• - Theodore Roscoe著『United States Submarine Operations in World War II』
• - K. Jack Bauer, Stephen S. Roberts著『Register of Ships of the U.S. Navy, 1775-1990: Major Combatants』
• - Norman Friedman著『U.S. Submarines Through 1945: An Illustrated Design History』

ドラドは、アメリカ海軍における潜水艦の歴史の一端を担い、その謎めいた過去は今でも多くの関心を集めています。

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