シイラ

シイラの概要

シイラ（学名: Coryphaena hippurus）は、スズキ目シイラ科に属する大型の肉食魚で、全世界の暖かい海に広く分布しています。特に表層に生息するこの種は、釣りの対象としても人気があります。特にハワイでは「マヒマヒ」という名で知られ、高級魚として評価されています。この名前は高級な食材としての印象を与え、最近では日本でも広まっています。

特徴

成魚は最大で体長2メートル、体重は40キログラム近くに達します。シイラの体は強く側扁し、高い体高を持っており、その体表は小さな円鱗に覆われています。オスは成長に伴い、額が隆起するのが特徴的です。背鰭は55から65の軟条から成り、後部にかけて広がっています。体色は特に生きている間は背中が青く、側面が緑から金色をしていますが、死後は黒ずんだ色に変わります。

生態

シイラは温暖な水域に生息しており、特に温帯地域では季節に応じて移動します。水温が上がると沿岸に近づくことが多く、日本近海では夏から秋にかけて北上することがあります。その生息域は主に外洋の表層（5から10メートルの深さ）で、流木や漂流物の傘下を好んで集まる習性があります。捕食は肉食性で、イワシやトビウオ、また時には甲殻類やイカまでを食べることがあります。突如として水面近くにジャンプし、餌を捕らえることも観察されています。

性成熟は4から5か月で、寿命は約4年です。

毒性

シイラは体表に毒を持つことがあり、特に腸炎ビブリオ菌や表皮粘液毒が含まれると言われています。このため、生食の際には細心の注意が必要で、まな板を分けることが推奨されます。食べすぎると吐き気や下痢を引き起こす場合もあり、注意が必要です。

名称と地域差

「シイラ」以外にも、地域によって様々な名称があり、例えば秋田県や富山県では「シラ」、宮城県や九州西部では「マンビキ」や「マビキ」と呼ばれることがあります。加えて、千葉県では「シビトクライ」、四国地方では「トウヤク」や「クマビキ」と名付けられています。このようなばらつきは、地域による文化や習慣の違いを反映しています。

漁法

シイラを漁獲するための特化した漁法として、「シイラ漬漁業」と呼ばれる巻網漁が存在します。また、釣りや引き縄（トローリング）に非常に人気が高いです。シイラの漁は流木などの漂流物を探して行われ、海鳥が集まる場所など、シイラが好むポイントを狙うことが多いです。

食材としての利用

シイラは赤身魚ですが、色は薄く、特に夏から秋にかけては脂がのりやすくなるため、美味しさが増します。そのため、日本では主に刺身や焼き物、フライ、干物など多岐にわたる料理に使われています。高知県では新鮮なシイラを使った刺身やたたきが特に人気で、産地によっては干物やジャーキーとしても楽しまれています。

さらに、ハワイではその身を使ったフライやソテーが名物料理として広く親しまれている他、台湾ではつみれやスープ、鉄板焼きとして利用されることもあります。フィリピンでも干物としての需要があります。

まとめ

シイラは全世界で様々な呼び名を持ち、肉食魚としては特に魅力的な存在です。釣人や料理人にとっても、多様な調理法と食文化の中で貴重な食材とされています。

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