ドラレ港

ドラレ港：ジブチの戦略的要衝

ドラレ港は、ジブチの首都ジブチ市西部のバルバラ地区に位置する多目的港です。ジブチ港の需要拡大に伴い、その拡張として開発されました。この港は、石油、ばら積み貨物、コンテナターミナルを備えており、ジブチの経済活動において重要な役割を担っています。

多様な機能を持つ港湾施設

ドラレ港は、全長4kmの岸壁に15のバースを有しており、多種多様な船舶の受け入れが可能です。特に、コンテナターミナルは、アフリカで2番目の規模を誇り、2016年には91万4300個のコンテナを取り扱いました。また、コンテナターミナルには放射能検知機が導入されており、安全な貨物輸送を確保しています。この放射能検知機は、アメリカ政府の資金提供によって設置され、コンテナの中身を開封することなく、放射性物質の有無をチェックできます。

石油ターミナルは、喫水20メートルの大型船舶に対応可能で、37万立方メートルの貯蔵容量を誇ります。このターミナルは、ホライゾン・ジブチ・ターミナル（HDTL）によって運営されており、地域および国際的な炭化水素供給拠点としての役割を担っています。ジブチは紅海の南の出口に位置しており、石油タンカーの航路に面しているため、アフリカの角地域への石油供給において、戦略的に重要な位置を占めています。

アディスアベバ・ジブチ鉄道との連携

ドラレ港のすべてのターミナルは、内陸のエチオピアへと繋がるアディスアベバ・ジブチ鉄道に直接アクセスできます。この鉄道は中国が建設を支援したもので、港と内陸を結ぶ物流の大動脈として機能しています。これにより、ドラレ港はエチオピアをはじめとする内陸国へのアクセスを容易にし、地域経済の発展に大きく貢献しています。

中国人民解放軍海軍基地の存在

ドラレ港の一角には、中国人民解放軍海軍の基地であるジブチ保障基地が設置されています。この基地は、2017年に建設された中国初の海外基地であり、中国海軍はソマリア沖での海賊対策任務にこの基地を活用しています。また、この基地は中国の「真珠の首飾り」戦略の重要な拠点の一つとされており、中国のプレゼンスを示す象徴的な存在となっています。

過去の運営状況

2018年2月まで、一部のコンテナ施設は中国招商局集団とアラブ首長国連邦のDPワールドによって部分的に所有、運営されていました。しかし、ジブチ政府がこれらの施設を収用し、現在はジブチ政府が管理しています。

まとめ

ドラレ港は、ジブチの経済成長に不可欠な多目的港であり、アフリカの物流における重要な拠点です。また、中国人民解放軍海軍の基地が設置されていることにより、地政学的にも重要な場所となっています。ジブチの経済と安全保障の両面において、ドラレ港の重要性は今後も増していくと考えられます。

関連事項

* ジブチ保障基地 - 中国人民解放軍海軍の海外基地。

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