ドリームセーリング

ドリームセーリング：平地から障害へ、9歳での重賞制覇の物語

2007年2月14日生まれの競走馬、ドリームセーリング。その競走馬生活は、平地競走での苦戦から始まり、障害競走への転向、そして9歳にして掴んだ重賞初優勝という、ドラマチックな展開を遂げました。

セレクトセール当歳セッションで高額で取引されたドリームセーリングは、2歳時にデビュー。しかし、期待されたデビュー戦は14着と惨敗。その後も勝ち星から遠ざかり、3歳時にはダート路線に転向するも、思うような結果を残せませんでした。その後、芝の長距離路線に転向し、3勝を挙げますが、重賞では結果を残せず苦戦が続きました。転厩を経て、オープンクラス入りも果たしましたが、再び壁にぶつかります。

こうした状況を打開すべく、6歳9月、陣営は思い切った決断を下します。それは、障害競走への転向でした。転向後はしばらく勝ち星に恵まれませんでしたが、7戦目にして初勝利を掴みます。その後、JGI競走にも挑戦するなど、障害競走でも経験を積みました。

そして迎えた8歳11月。京都ジャンプステークスで復帰を果たしたドリームセーリングは、9歳シーズンも現役を続行。その京都ジャンプステークスでは、9歳にして、通算53戦目にして、念願の重賞初優勝を飾ります。2週目の3コーナー過ぎに先頭に立ち、2着馬を4馬身突き放す圧勝劇でした。この勝利は、関係者にとって、そしてドリームセーリング自身の長年の努力の結晶と言えるでしょう。

その後、10歳3月の阪神スプリングジャンプを最後に現役を引退。現在は三重県桑名市のクレイン東海で繋養され、余生を穏やかに過ごしています。

ドリームセーリングの血統背景も興味深いものです。全妹にはヴィクトリアマイル勝ち馬のホエールキャプチャ、全弟には京都金杯勝ち馬のパクスアメリカーナがいます。3代母タレンティドガールはエリザベス女王杯勝ち馬であり、その半兄にはGIを3勝したニッポーテイオーもいます。このように、ドリームセーリングは優れた血統を受け継いでおり、その能力の高さがうかがえます。

ドリームセーリングの物語は、決して順風満帆ではありませんでした。幾多の苦難を乗り越え、障害競走への転向という大きな決断を経て、掴んだ重賞勝利は、多くの競走馬関係者にとって大きな感動を与えました。その長く険しい道のり、そして関係者の努力、そして優れた血統、それら全てが織りなす、ドリームセーリングという競走馬の生涯は、競馬ファンにとって忘れられないものとなるでしょう。 ドリームセーリングの馬名の由来は「冠名＋船出」。父馬の名前から連想し、世界を目指して船出して欲しいとの願いが込められています。この願いは、ドリームセーリング自身の努力と、関係者の支えによって、見事に叶えられたと言えるのではないでしょうか。

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