ドリームライブラリ

ドリームライブラリ：セガの先駆けレトロゲーム配信サービス

ドリームライブラリは、2000年から2003年までセガの家庭用ゲーム機ドリームキャスト（DC）向けに提供されていたゲーム配信サービスです。インターネット回線を通じて、メガドライブやPCエンジンのゲームソフトをダウンロードしてプレイできるという、当時としては画期的な試みでした。

サービスの概要

利用者は、DC専用のウェブブラウザソフト「ドリームパスポート3」または「ドリームパスポート プレミヤ」を使用し、インターネットに接続してゲームソフトをダウンロードします。ゲームソフトの利用権は、「ドリム」と呼ばれるDC用ネットワークゲームの課金で使用される仮想通貨で購入しました。

料金体系は、1本のゲームソフトにつき「1泊2日 - 150ドリム」で、RPGやSLGなど一部のゲームには「7泊8日 - 400ドリム」のバリュー価格が設定されていました。利用権の有効期限が切れる日の24時までゲームをプレイすることができました。サービス紹介では、「レンタルビデオのような感覚」という表現がよく用いられました。

配信作品は、セガのメガドライブのROMカセットソフトやゲーム図書館で配信されたソフト、NEC-HEのPCエンジンのHuCARDソフトでした。当時、すでにNEC-HEはゲームハード事業から撤退していましたが、メガドライブの競合機種のプラットフォームが参加したことは、一部で話題となりました。

ドリームライブラリは、後のPC向けサービスやWiiのバーチャルコンソールといったレトロゲーム配信サービスの先駆けと言えるでしょう。

サービス開始と終了

2000年4月29日には、15分間のお試し版が無料配信され、同年6月1日に約30本のタイトルで正式サービスが開始されました。その後、定期的に配信タイトルの追加や入れ替えが行われました。

2001年1月27日からは、ブロードバンド対応のためのメンテナンスでサービスが一時休止しました。同年7月にサービスが再開されましたが、ラインナップはメガドライブのみで、PCエンジンのソフトは配信されませんでした。その後、ラインナップが更新されることはなく、2003年1月31日にサービスは終了しました。

サービス終了の背景には、ブロードバンドの普及の遅れや、DC本体の補助記憶装置の不足、プレイステーション2の台頭などが挙げられます。ドリームライブラリは、サービス運営には時期が早すぎたと言えるかもしれません。

本サービスの問題点

DC本体には、ゲームデータを保存するためのフラッシュメモリやHDDなどの補助記憶装置が搭載されていませんでした。そのため、ダウンロードしたゲームは本体RAMに記憶され、一度電源を切るとデータが消えてしまうため、再度ダウンロードする必要がありました。当時のインターネット環境はダイヤルアップ接続が主流であり、ダウンロードに時間がかかり、通信費の負担も大きかったため、大きな問題点でした。

また、利用権の購入はダウンロードシステムとは別になっており、公式ホームページで手続きをする必要がありました。

ダウンロードしたゲームソフトは、「ドリームパスポート3」「ドリームパスポート プレミヤ」に収録されたエミュレータで動作しましたが、ラスタースクロールの再現やFM音源の再現度など、実機とは異なる点がありました。一部のソフトには、動作上の不具合も存在しました。

ゲーム内容のセーブは、メガドライブ用ソフトでバッテリーバックアップ機能を搭載していたもののみ対応していましたが、セーブ方法も煩雑でした。

配信ソフト

メガドライブ
PCエンジン

(配信ソフトのリストは省略)

主な協賛メーカー

(協賛メーカーのリストは省略)

関連項目

バーチャルコンソール
Wiiウェア
ニンテンドーDSiウェア
ゲームアーカイブス
Xbox Live Arcade
Xboxクラシックス
セガゲーム本舗
ゲームエミュレータ

外部リンク

悠紀エンタープライズ - ドリームライブラリ用メガドライブエミュレータを開発
ターゲット・エンタテインメント - ドリームライブラリ用PCエンジンエミュレータを開発

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