ドルースキ (水雷艇)

ドルースキ (Дръзки) について

ドルースキ級水雷艇の一隻、ドルースキはブルガリア海軍において重要な役割を果たした艦艇です。フランスのシャロン＝シュル＝ソーヌ造船所で建造され、1907年8月23日に進水し、その後1908年1月5日に正式に就役しました。この艦船は、ブルガリア海軍の6隻の水雷艇のうちの一つとして設計され、当初は防衛や攻撃のための高い能力を求められていました。

建造と艦歴

ドルースキの建造はブルガリア海軍の近代化の一環として行われました。当時、ブルガリアは海の防衛力を高める必要があり、そのためにフランスからの技術と艦船を取り入れました。ドルースキは、1912年から1913年に起こった第1次バルカン戦争でその能力を試されました。

特に記憶に残るのは、1912年11月の夜間作戦における出来事です。この時、ドルースキを含むブルガリアの水雷艇4隻がオスマン帝国海軍の防護巡洋艦ハミディイェに対し、攻撃を仕掛けました。この攻撃により、ハミディイェには魚雷が1発命中し、その発射元についてはドルースキまたはもう一つの艇であるストギとされ、艦艇同士の交戦において重要な成果を上げました。

戦争と艦種の変更

第一次世界大戦後、ドルースキは艦種が変更され哨戒艇としての役割にシフトしました。ブルガリアが第二次世界大戦に入ると、再びドルースキはこれに従事し、重要な任務を担いました。しかし、1942年10月、ヴァルナ港での弾薬庫の爆発により、一時的に沈没しましたが、その後すぐに修理を受け復帰しました。1944年には標的艦として使用され、1950年代までその任務を続けました。

記念艦としての保存

1957年にドルースキを記念艦として保存する計画が立てられましたが、その時点でドルースキは一部解体され、艦艇としての原形を失っていました。そこで、同型艦のストローギから部品を移設し、ドルースキの名を冠した記念艦が設立されました。これにより、ドルースキの歴史とその重要性が後世に伝えられることとなります。

参考文献

• - Bernd Langensiepen, Ahmet Güleryüz, The Ottoman Steam Navy 1828-1923, Conway Maritime Press, 1995
• - Lloyd P. Simpson, "The Last of a Type", Warship International Vol. 10, No. 2, 1973

このように、ドルースキはブルガリア海軍の歴史の中で重要な役割を果たし続け、その足跡は記念艦として現在も人々に語り継がれています。

もう一度検索