ドレイク森松

女子プロレスラーとして数々のリングで熱戦を繰り広げたドレイク森松氏は、本名を森松由紀といい、1970年8月21日に生まれた。

アマチュア時代

幼少期からスポーツに親しみ、中学時代は柔道に打ち込んだ。高校でレスリングに転向すると、その才能を開花させ、1988年には第2回全日本女子選手権の70kg級で3位入賞を果たすなど、早くから頭角を現した。

プロレスキャリア

レスリングでの実績を引っ提げ、プロレスの世界へ進む。1990年1月17日、熊本での大会にて、対里美和戦でプロレスラーとしての第一歩を踏み出した。キャリア初期はFMWに所属し、タフなファイトスタイルで存在感を示した。1996年からは吉本女子プロレスJd'に移籍し、団体の主要選手として活躍。女子プロレス界における様々なタイトルを獲得するなど、選手としてのピークを迎える。TWF世界タッグ王座やAWF世界女子王座、WDW女子王座などがその獲得タイトルとして記録されている。

総合格闘技への挑戦

プロレスラーとして活動する傍ら、異種格闘技にも興味を示し、総合格闘技のリングにも上がった。2002年2月3日には、スマックガールで総合格闘技デビューを果たし、そのタフネスぶりを見せた。

引退と復帰、そしてインディーシーンへ

2006年4月16日に一度現役を退き、同年6月には沖縄県へ移住した。しかし、プロレスへの情熱が冷めることはなく、2009年5月31日には沖縄プロレスのリングで渡辺智子と共に一日限定の復帰を果たした。その後、2010年から2014年にかけては故郷である大阪府門真市に戻り、一般の仕事に就きながらも、関西で開催されるインディー団体の興行に不定期ながらも参戦を続けた。この時期には、介護職に就いていることも明かしている。

ガッツワールドへの参加と再度のフリー

2015年には、参戦していたガッツワールドプロレスリングへの正式所属を表明。同団体で活動を続けるが、2018年のガッツワールド解散に伴い、再びフリーランスとなった。

得意技

リング上では、相手をマットに突き刺すような「ドレイクドライバー」や、ハリケーンドライバーと同型の「ドレイクボトム」などを得意技としていた。これらの技は、そのパワーとダイナミズムを象徴するものだった。

2005年の騒動

キャリアにおいて特筆すべき出来事として、2005年8月4日に元プロレスラーの東城えみと行った「負けたらアダルトビデオ出演」という異例の条件付きシングルマッチがある。この試合で森松が勝利したにも関わらず、試合後に敗者である東城えみのAV撮影がリング上で行われた。この企画は、東城えみのAVデビューの話題作りを狙った製作会社によるものであったとされるが、事前に決められた範囲を超えた撮影強行があったこと、またその内容の倫理的な問題から、当時の所属団体や会場側、さらには多くのファンや関係者から強い非難を浴びた。フリーランスだった森松氏自身もこの騒動に巻き込まれ、激しいバッシングに晒された結果、ホームページの閉鎖や謝罪会見に追い込まれた。この一件は、彼女が活動の場を失う大きな要因となり、ほどなくプロレスラーとしての引退を決断するきっかけの一つとなったとされる、非常に残念な出来事であった。

引退後の活動

プロレスラーとしての第一線を退いた後も、ドレイク森松氏は多方面で精力的に活動している。2019年には大阪で立ち呑み形式の沖縄料理店「立ち呑み処 て〜げ〜家」を開業し、自ら厨房に立って客をもてなす姿が見られる。さらに2024年には新店舗「#テーゲーヤー2nd」もオープンさせており、実業家としての手腕も発揮している。また、近年は動物愛護活動にも強い関心を示しており、保護犬や保護猫の譲渡会に積極的に参加したり、チャリティー支援や啓発活動を行ったりしている。2022年には、動物愛護団体への収益寄付を目的とした自主興行「DANGEROUS WORLD vol.3 ~野崎ジャック~」を開催するなど、社会貢献活動にも力を入れている。

まとめ

柔道・レスリングで培った強靭な肉体を武器に、女子プロレス界、そして総合格闘技のリングでも異彩を放ったドレイク森松氏。リングを降りた現在は、飲食店経営者、そして動物愛護家として、第二の人生をパワフルに歩んでいる。

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