ドレスデンの五日間

『ドレスデンの五日間』は、1961年にソビエト連邦（モスフィルム）と東ドイツ（DEFA）が共同で製作した映画です。監督はレフ・アルンシュタムとハインツ・ティールが務めました。

物語の舞台は、第二次世界大戦が終結した1945年5月8日。ドイツが降伏し、共産主義者のエーリッヒ・ブラウンは、ドレスデン爆撃によって荒廃した故郷に戻ります。彼は、赤軍とともに、ツヴィンガー宮殿（現在のドレスデン美術館）の廃墟から、アルテ・マイスター絵画館の芸術作品を回収する任務に就きます。

物語は、エーリッヒがソビエト兵士たちと共に、絵画を探す5日間を追います。その過程で、彼は戦争から帰還した町の住民たちと出会います。最初はソビエト兵士に不信感を抱いていた人々も、次第に芸術作品を保護する彼らの真摯な姿に心を動かされ、協力するようになります。

この映画の音楽は、ドミートリイ・ショスタコーヴィチが担当しました。彼はこの映画のためにドレスデンに派遣され、戦争の悲惨さを深く憂慮した「弦楽四重奏曲第8番」を作曲し、映画の重要な要素として使用されました。この楽曲は、映画全体の悲劇的な雰囲気を強調し、観客の心に深く響きます。

日本では、アートシアター系の映画館を中心に広く上映され、多くの観客に感動を与えました。映画は、戦争の爪痕と、その中で失われなかった人間の希望を描いており、芸術の力と人間の連帯を強く感じさせる作品です。

映画のポイント

第二次世界大戦終結直後のドレスデンを舞台にした物語
芸術作品を救出しようとする人々の連帯
ショスタコーヴィチによる「弦楽四重奏曲第8番」を使用した音楽
戦争の悲劇と人間の希望を描いた感動的な作品


外部リンク

ドレスデンの五日間（Youtube） (ロシア語版)
Five Days, Five Nights - cinema.de
* Five Days, Five Nights - DEFA Film Library

『ドレスデンの五日間』は、戦争の悲惨さの中にあっても希望を失わない人間の姿を描いた、心に残る作品です。芸術の価値と、それを守ろうとする人々の情熱が、見る者の心を揺さぶります。

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