ナイル殺人事件 (1978年の映画)

概要

『ナイル殺人事件』は、1978年に公開されたイギリスのミステリー映画で、アガサ・クリスティの小説『ナイルに死す』を原作としています。ジョン・ギラーミンが監督を務め、ピーター・ユスティノフが主要な役割を演じています。この作品は、第51回アカデミー賞で衣装デザイン賞を受賞しました。

ストーリー

物語はアメリカ出身の美しい女性リネットから始まります。彼女は莫大な遺産の相続人であり、親友ジャクリーンの相談を受けてサイモンという男性に手を差し伸べます。しかし、リネットはその後すぐにサイモンと結婚してしまい、略奪婚として世間を賑わせます。

新婚旅行でエジプトを訪れるリネットとサイモンですが、彼らの前に現れたのがジャクリーンです。彼女は豪華客船に乗り合わせ、二人の前で暴言を吐いたり、妨害行為を繰り返したりします。リネットは同船した私立探偵ポアロにジャクリーンとの距離を取るようお願いするものの、ポアロはその依頼を受け入れません。

ある朝、リネットが船内で射殺されているのが発見され、現場には「J」という血文字が残されていました。最初に疑われたのはジャクリーンでしたが、彼女にはアリバイがあったため、他の乗客も疑念の目で見られることになります。

その船には、リネットの叔父で彼女の財産を管理するアンドリュー、リネットをモデルに小説を執筆している作家サロメ、嫉妬心を抱くサロメの娘ロザリー、真珠のネックレスを狙うバン・スカイラー、リネットに侮辱された医師ベスナーなど、様々なキャラクターが存在しています。彼らのそれぞれの背景にはリネットとの複雑な関係があり、ポアロは旧友のレイス大佐と共に真相を解き明かしていきます。

キャスト

この映画の日本語吹替版は約120分で、KADOKAWAから発売されているBDに収録されています。また、字幕は清水俊二によるものです。

制作の背景

当初、映画の監督にはフランソワ・トリュフォーが考えられていましたが、イギリスからの電話でのやり取りが原因で断られました。

日本での公開にあたっては、映画のエンディング曲が変更され、サンディーの『ミステリー・ナイル』が採用されました。この曲は当初のエンディングとは異なり、アップテンポで女性ヴォーカルのポップスとなっています。また、エンド・クレジットでは結末に関する注意書きが加えられ、多くの映画ファンの興味を引く要因となりました。

評価

Rotten Tomatoesでは、18件のレビューのうち78％が高評価を得ており、平均点は6.6点とされています。allcinemaでは本作を「クリスティ推理劇の醍醐味が堪能できる傑作」と高く評価しています。

舞台化

この物語は2004年に舞台化され、東宝によって上演されました。演出は山田和也、キャストには北大路欣也や岩崎良美などが名を連ねました。

まとめ

『ナイル殺人事件』は、その魅力的なストーリーと独特なキャラクターたちが織り成す緊張感溢れるミステリー作品です。アガサ・クリスティの名作を基にしたこの映画は、視聴者を引き込む面白さを持っており、今なお多くの人々に愛されています。

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