ナウロクス沖の海戦

ナウロクス沖の海戦

ナウロクス沖の海戦は、紀元前36年9月3日に、シチリア島ナウロクス沖で、反カエサルを掲げるセクストゥス・ポンペイウスと、カエサル派のオクタウィウスとアグリッパ率いる共和政ローマとの間で行われた海戦です。

背景

紀元前43年、カエサル暗殺後の混乱期に、オクタウィアヌス、マルクス・アントニウス、マルクス・アエミリウス・レピドゥスの3人が第二回三頭政治を樹立しました。オクタウィアヌスはイタリア以西、アントニウスはギリシア以東、レピドゥスはエジプトを除くアフリカをそれぞれ支配しました。

一方、グナエウス・ポンペイウスの息子であるセクストゥス・ポンペイウスは、カエサル暗殺後も反カエサルの立場を貫き、シチリア島を拠点にイタリア半島の海上封鎖を行いました。これに対し、オクタウィアヌスは軍を派遣しましたが大敗を喫しました。

海戦の経過

紀元前36年、マルクス・アントニウスの支援と、オクタウィアヌスの腹心であるマルクス・ウィプサニウス・アグリッパの活躍により、ナウロクス沖の海戦でオクタウィアヌス軍はセクストゥス軍を撃破しました。アントニウスがオクタウィアヌスを支援したのは、自身のパルティア遠征を有利に進めるため、オクタウィアヌスに恩を売る意図があったと考えられています。

海戦の影響

ナウロクス沖の海戦後、レピドゥスがオクタウィアヌス打倒を企てシチリア島を独占しようとしましたが、部下の裏切りにより失敗し失脚しました。セクストゥス・ポンペイウスは紀元前35年にミレトスで捕らえられ処刑されました。

この海戦での勝利により、オクタウィアヌスはローマにおける権力をさらに強固なものとし、後の帝政への道を切り開きました。

関連項目

内乱の一世紀
シチリア島#歴史
* ローマ内戦 (紀元前49年-紀元前45年)

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