ナガバノイシモチソウ

ナガバノイシモチソウ（長葉石持草）について

ナガバノイシモチソウは、モウセンゴケ科に分類される一年生の食虫植物です。学名はDrosera indica L.です。立ち上がる草姿がイシモチソウに似ており、葉が長く伸びることからこの名前が付けられました。

分布

アフリカ東部からインド、東南アジア、オーストラリアにかけて広く分布しています。日本では、茨城県、栃木県、千[[葉県]]、静岡県、愛知県、宮崎県に分布していますが、三重県では絶滅したと考えられています。

特に注目されるのが、桃色の花弁を持つアカバナナガバノイシモチソウです。日本では愛知県の一部地域（豊明市と豊橋市）にのみ自生しており、豊明市のものは1968年に県の天然記念物に指定されました。現在、豊明市では繁殖保護が行われ、開花時期には一般公開もされています。

その他の自生地では、主にシロバナナガバノイシモチソウが見られます。千[[葉県]]の成東・東金食虫[[植物群落]]や、愛知県の壱町田湿地などが代表的な自生地です。

2013年には、アカバナナガバノイシモチソウがシロバナナガバノイシモチソウとは遺伝的に異なる日本固有の別種であることが発表されました。この種にはDrosera toyoakensis M.Watanabeという学名が与えられましたが、正式な学名として認められるには今後の研究発表が待たれます。

特徴

ナガバノイシモチソウは、最大で高さ50cm程度まで成長する一年草です。5月中旬頃に発芽し、海岸近くの砂地や湿地帯に群生することがあります。

茎は直立し、葉は互い違いに生え、細長い線形で長さ2～10cm、幅は3mm程度です。日本のモウセンゴケ属の中では唯一、腺毛が赤くならない点が特徴です。しかし、海外には葉や茎が赤くなる系統も存在します。

腺毛は先端に粘液の球をつけ、虫が触れると捕らえ、消化液を分泌して栄養を吸収します。葉も捕らえた虫を包み込むように曲がります。

8月から9月にかけて、茎の途中から5～10cmの花茎を伸ばし、桃色または白色の花を咲かせます。花弁はくさび形または倒卵形で、長さ5mm～1cm、幅5mm程度です。海外の亜種には、紫やオレンジ色の花もあります。がくは披針形で、長さ約3mm、幅約1mmです。

保護状況

環境省のレッドリストでは、絶滅危惧II類（VU）に指定されており、保護が必要な状況です。以前は絶滅危惧IB類に指定されていました。

関連情報

食虫植物

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