モウセンゴケ科

モウセンゴケ科 (Droseraceae) について

モウセンゴケ科は、ナデシコ目に分類される食虫植物の科であり、約200種が知られています。この科に属する植物はすべて食虫植物であり、特異な捕虫方法を持っていることで知られています。

分類

モウセンゴケ科には、以下の3つの属が含まれています。

モウセンゴケ属 (Drosera): モウセンゴケ科の中で最も多くの種を含む属です。日本にも、モウセンゴケ、ナガバノモウセンゴケ、コモウセンゴケ、トウカイモウセンゴケ、ナガバノイシモチソウ、イシモチソウなどが分布しています。
ムジナモ属 (Aldrovanda): ムジナモという1種のみを含む単型の属です。
ハエトリグサ属 (Dionaea): ハエトリグサという1種のみを含む単型の属です。

かつては、ドロソフィルム属やロリドゥラ属もモウセンゴケ科に含められていましたが、現在では別の科に分類されています。

特徴

モウセンゴケ科の植物は、いずれも捕虫葉を持っています。モウセンゴケ属の植物は、葉に生えた腺毛から粘液を分泌し、そこに虫を付着させて捕獲します。ムジナモとハエトリグサは、挟み罠と呼ばれる特殊な葉を使って虫を捕獲します。これらの捕虫方法は、植物が栄養を補給するための適応戦略です。

分類体系の変遷

モウセンゴケ科は、分類体系の変遷の中で、異なる目に位置づけられてきました。新エングラー体系ではサラセニア目、クロンキスト体系ではウツボカズラ目に分類されていましたが、APG分類体系ではナデシコ目に分類されています。この変遷は、植物の系統関係の研究が進むにつれて、より正確な分類が行われるようになった結果です。

日本に分布する種

日本には、モウセンゴケ属とムジナモ属の2属、合計7種が分布しています。これらの種は、湿地や池沼などに生育し、食虫植物としての独特な生態を示しています。

牧野富太郎の分類

植物学者の牧野富太郎は、モウセンゴケ科の植物を「いしもちさう科」として分類しました。これは、当時イシモチソウがこの科の代表的な植物と考えられていたためです。

食虫植物としての生態

モウセンゴケ科の植物は、食虫植物として知られていますが、これは、栄養分の少ない環境で生育するために、昆虫などの小動物を捕食して栄養を補給する適応戦略です。この生態は、植物の進化における多様な適応の一例として興味深く研究されています。

関連情報

食虫植物: モウセンゴケ科の植物は、食虫植物の中でも特に有名なグループです。

外部リンク

Droseraceae in Watson, L., and Dallwitz, M.J. 1992 onwards. The families of flowering plants: descriptions, illustrations, identification, and information retrieval. Version: 29th July 2006.
Droseraceae in the Flora of China

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