ナコーンナーヨック県

ナコーンナーヨック県

タイ王国の中部に位置するナコーンナーヨック県（タイ語: จังหวัดนครนายก）は、首都バンコクからほど近い、自然豊かな地域です。この県は、周辺をサラブリー県、ナコーンラーチャシーマー県、プラーチーンブリー県、チャチューンサオ県、パトゥムターニー県に囲まれています。

地理的特徴

ナコーンナーヨック県の地形は多様性に富んでいます。

北部：県土の北部を占めるのは、険しい山々が連なる山岳地帯です。この地域には、標高1,292メートルを誇るキアオ山などがあり、これらの山地の一部は、ユネスコ世界遺産にも登録されている「ドンパヤーイェン-カオヤイの森林群」の一部であるカオヤイ国立公園に含まれています。鬱蒼とした森林は、多様な野生動物の生息地となっています。
中央部：県の中心部は、ナコーンナーヨック川の流れによって形成された肥沃な平野が広がっています。この平野は農業に適しており、特に稲作が盛んに行われています。
南部：一方、県の南部は土壌が酸性であるという特徴を持ちます。このため、一般的な畑作にはあまり向かない土地となっています。

こうした地理的な区分は、県内の産業や植生にも影響を与えています。

歴史

ナコーンナーヨックの歴史は古く、その起源はおそらく11世紀頃、タイ中央部から東北部にかけて栄えたドヴァーラヴァティー王国時代に遡ると考えられています。当時からこの地に集落が存在し、ある程度の重要性を持っていたことが示唆されます。

その後、1350年に成立したアユタヤー王朝の時代には、ナコーンナーヨックはその strategically important な立地から、軍事上の重要な拠点として位置づけられました。国境防衛や遠征の際に、軍隊の駐屯地として利用されたと考えられています。

近代に入り、行政区画の再編が行われる中で、ナコーンナーヨック県は一時的な変遷を経験しました。1943年1月1日には、県全体がプラーチーンブリー県に編入されるという措置が取られ、さらにバーンナー郡はサラブリー県に組み込まれました。しかし、この状態は長く続かず、わずか数年後の1946年5月9日には、ナコーンナーヨックは再び独立した県として再設立され、現在に至っています。

県の象徴

ナコーンナーヨック県の県章は、この地の自然の豊かさと主要産業を象徴するデザインが採用されています。県章の中央には、一頭の象が鼻で稲穂を持ち上げている姿が描かれています。これは、かつて県内の広大な森林に多くの象が生息していたことと、主要産物である米が豊かに収穫されることを表しています。背景には、積み上げられた稲藁の山が二つ、木々、そして雲が配されており、これら全体で農業の恵みや豊かな自然環境を示しています。

また、ナコーンナーヨック県の県の木および県の花としては、黄色い美しい花を咲かせるコクロスペルマム・レリギオスム（学名：Cochlospermum religiosum）が指定されています。

行政区分

ナコーンナーヨック県は、行政運営のため、以下の区分に分けられています。

郡（アンプー）：4郡
町（タンボン）：41町
村（ムーバーン）：403村

これらの行政単位を通じて、県民生活に密着した様々な行政サービスが提供されています。

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