ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2004年)

2004年の映画界を彩った作品と才能を称える第76回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞。2004年12月1日に発表され、2005年1月11日には華やかな授賞式が開催されました。

最も栄誉ある作品賞は、マーク・フォースター監督による『ネバーランド』が受賞しました。この作品は、その年の映画界において最も高い評価を得た作品の一つとして記憶されています。

作品賞トップ10にも、数々の名作が名を連ねています。ハリウッドを代表するスター俳優の競演で話題を呼んだ『アビエイター』、複雑な人間関係を繊細に描いた『クローサー』、サスペンスフルな展開が緊張感に満ちた『コラテラル』、ルワンダ紛争を描いた重厚なドラマ『ホテル・ルワンダ』、人間の性愛を正面から描いた『愛についてのキンゼイ・レポート』、ボクシング界の感動的物語『ミリオンダラー・ベイビー』、レイ・チャールズの生涯を描いた伝記映画『Ray/レイ|Ray_レイ』、アメリカ社会の現実を皮肉たっぷりに描いた『サイドウェイ』、そして英国映画の重みに溢れた『ヴェラ・ドレイク』など、多様なジャンルとテーマの作品がノミネートされました。

外国語映画賞は、スペイン、フランス、イタリア合作の『海を飛ぶ夢』（アレハンドロ・アメナーバル監督）が受賞。この作品は、その独創的な映像表現と深いテーマ性が高く評価されました。トップ5には、『バッド・エデュケーション』（スペイン）、『コーラス』（フランス）、『そして、ひと粒のひかり』（アメリカ合衆国、コロンビア）、『モーターサイクル・ダイアリーズ』（アルゼンチン、アメリカ合衆国、チリ、ペルー、ブラジル、イギリス、ドイツ、フランス）など、世界各国から優れた作品が集まりました。

ドキュメンタリー映画賞は、ザナ・ブリスキ監督による『未来を写した子どもたち』が受賞。トップ5には、『Paper Clips』、『スーパーサイズ・ミー』、『らくだの涙』、『Z Channel: A Magnificent Obsession』など、社会問題や文化、歴史など多様なテーマの作品が名を連ねています。

アニメーション映画賞は、ブラッド・バード監督による『Mr.インクレディブル』が受賞しました。

個別の賞についても見ていきましょう。監督賞は『コラテラル』のマイケル・マン監督が受賞。主演男優賞は『Ray/レイ|Ray_レイ』のジェイミー・フォックス、主演女優賞は『華麗なる恋の舞台で』のアネット・ベニングがそれぞれ受賞しました。

助演男優賞は『サイドウェイ』のトーマス・ヘイデン・チャーチ、助演女優賞は『愛についてのキンゼイ・レポート』のローラ・リニーが受賞しました。

アンサンブル演技賞は『クローサー』が受賞、ブレイクスルー演技賞はトファー・グレイスとエミー・ロッサムが受賞しました。新人監督賞は『終わりで始まりの4日間』のザック・ブラフ、脚本賞は『エターナル・サンシャイン』のチャーリー・カウフマン、脚色賞は『サイドウェイ』のアレクサンダー・ペインとジム・テイラーがそれぞれ受賞しました。

作曲賞は『ネバーランド』のヤン・A・P・カチュマレク、美術監督賞はLOVERS(映画)、プロデューサー賞はジェリー・ブラッカイマーが受賞しました。

さらに、ジェフ・ブリッジスには功労賞が、クリント・イーストウッドには映画製作における特別業績賞が、キャレブ・デシャネルには功労賞（撮影）がそれぞれ贈られました。

そして、映画制作の優秀さに対する特別な認識として、『リチャード・ニクソン暗殺を企てた男』、『ビフォア・サンセット』など、12作品が選出されました。

第76回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、2004年の映画界を代表する作品と人材を称え、その年の映画史に大きな足跡を残しました。

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