ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2007年)

2007年の映画を対象とした第79回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の発表は、2007年12月5日に行われ、授賞式は2008年1月15日に開催されました。この賞は、アメリカ合衆国の映画批評家団体であるナショナル・ボード・オブ・レビューが、毎年優秀な映画作品や俳優などを表彰する権威ある賞として知られています。

今年の作品賞には、コーエン兄弟監督による犯罪スリラー映画『ノーカントリー』が輝きました。同作品は、緊迫感あふれるストーリーと、個性的な登場人物、そして見事な演出が高く評価され、主要部門であるアンサンブル演技賞も受賞しています。脚本賞もコーエン兄弟が受賞しました。

主演男優賞は、スリリングなサスペンス映画『フィクサー』で圧巻の演技を見せたジョージ・クルーニーが受賞しました。一方、主演女優賞は、繊細な感情表現が絶賛された『アウェイ・フロム・ハー君を想う』で、情感豊かな演技を見せたジュリー・クリスティが受賞しました。

助演男優賞は、『ジェシー・ジェームズの暗殺』で存在感を放ったケイシー・アフレック、助演女優賞は『ゴーン・ベイビー・ゴーン』での好演が認められたエイミー・ライアンがそれぞれ受賞しました。

若手俳優の登竜門ともいえるブレイクスルー賞では、男優賞に『イントゥ・ザ・ワイルド』のエミール・ハーシュ、女優賞に『JUNO/ジュノ|JUNO_ジュノ』のエリオット・ペイジが選ばれました。監督賞は、ダークファンタジーミュージカル『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』で独特の世界観を表現したティム・バートンが受賞しました。また、新人監督賞は『ゴーン・ベイビー・ゴーン』のベン・アフレックが受賞しました。

その他、話題となった作品が多数ノミネートされました。トップ10作品には、『ジェシー・ジェームズの暗殺』『つぐない』『ボーン・アルティメイタム』『最高の人生の見つけ方』『イントゥ・ザ・ワイルド』『JUNO/ジュノ|JUNO_ジュノ』『君のためなら千回でも』『ラースと、その彼女』『フィクサー』『スウィーニー・トッド フリート街の悪魔の理髪師』など、話題作が目白押しです。外国語映画賞はフランス映画『潜水服は蝶の夢を見る』が受賞しました。ドキュメンタリー映画賞は『Body of War』が受賞しました。インディペンデント映画賞では、多様な作品がノミネートされ、それぞれ個性的な作品が評価されました。

さらに、この賞では、映画界への貢献を称える功労賞も複数授与されました。名優マイケル・ダグラスが功労賞を受賞したほか、映画史に貢献したロバート・オズボーンがウィリアム・K・エヴァーソン賞を受賞、撮影技師のロジャー・ディーキンスが功労賞（撮影）を受賞しました。表現の自由に対するブルガリ賞は、『グレート・ディベーター 挑戦者たち』と『ペルセポリス』が受賞しました。

この年のナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、映画界の多様な才能と、優れた作品を広く称える盛大なイベントとなりました。受賞作品は、その後の映画賞レースでも高い評価を受け、その年の映画界を代表する作品群として記憶されています。

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