ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞 (2020年)

2021年1月26日、第92回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞の受賞者が発表されました。2020年に公開された映画を対象としたこの賞は、アメリカ合衆国を代表する映画賞の一つとして知られています。

最も権威のある賞である作品賞には、スパイク・リー監督の『ザ・ファイブ・ブラッズ』が輝きました。本作は、ベトナム戦争を背景に、黒人兵士たちの友情と葛藤を描いた作品です。

作品賞トップ10にも、話題作が多数ノミネートされました。『ミナリ』『ノマドランド』『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』『プロミシング・ヤング・ウーマン』といった、アカデミー賞でも高い評価を得た作品が名を連ねています。これらの作品は、それぞれ異なるテーマや表現方法で、現代社会の様々な問題や人間の心の機微を繊細に描き出しています。

外国語映画賞は、グアテマラの『ラ・ヨローナ〜彷徨う女〜』が受賞しました。この作品は、神話と現実が交錯する世界観で、観る者を魅了する作品です。

ドキュメンタリー映画賞には、『タイム』が選ばれました。時間というテーマを独創的な手法で表現した本作は、高い評価を得ています。

監督賞は、『ザ・ファイブ・ブラッズ』で知られるスパイク・リーが受賞しました。

主演男優賞は『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』のリズ・アーメッド、主演女優賞は『プロミシング・ヤング・ウーマン』のキャリー・マリガンがそれぞれ受賞しました。

助演男優賞は、同じく『サウンド・オブ・メタル〜聞こえるということ〜』で熱演を見せたポール・レイシー、助演女優賞は『ミナリ』で印象的な演技を披露したユン・ヨジョンが受賞しました。ユン・ヨジョンの受賞は、アジア系女優として大きな話題となりました。

脚本賞では、『ミナリ』のリー・アイザック・チョンがオリジナル脚本賞を、『この茫漠たる荒野で』のポール・グリーングラスとルーク・デイヴィスが脚色賞を受賞しました。

アニメーション映画賞は、ピクサー制作の『ソウルフル・ワールド』が受賞。

この他、ブレイクスルー演技賞、新人監督賞、アンサンブル演技賞、表現の自由賞、撮影功績賞、アイコン賞など、様々な部門で受賞者が発表されました。

第92回ナショナル・ボード・オブ・レビュー賞は、2020年の映画界を代表する作品と才能を称える、記憶に残る授賞式となりました。各部門の受賞作品は、それぞれが映画史に新たな足跡を刻む、傑出した作品ばかりです。これらの作品を通して、映画が持つ表現力や可能性を改めて感じ取ることが出来るでしょう。

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