ナゾラーランド
ファミリーコンピュータのディスクシステム向けに、サン電子から1987年から1988年にかけて発売された『謎のマガジンディスク ナゾラーランド』は、ゲームソフトと雑誌の要素を融合させたユニークなディスクマガジンシリーズです。世界文化社のパズラー編集部と共同で企画・制作され、第3号まで刊行されました。
本シリーズの最大の特徴は、毎号複数のミニゲームが収録されている点にあります。これらのゲームはパズル、アドベンチャー、クイズなど様々なジャンルにわたります。また、単なるゲーム集にとどまらず、読者からのおたよりを紹介するコーナーなど、雑誌ならではの企画も盛り込まれており、「ディスクマガジン」というコンセプトを体現していました。シリーズ全体のイメージキャラクターは漫画家のなんきん氏が担当しました。
1987年に登場した創刊号には、8種類のゲームが収められています。T字型の回転ドアを使った迷路「回転迷路ドアマン」、マスターマインド形式の占い「ナゾラー占い」、絵柄のみを頼りにピースを組み替えるジグソーパズル「スーパージグソー」といったパズル系のほか、限られた選択肢で姫を救出するアドベンチャー「MOMOKO姫を救え!」（これはかつて雑誌『パズラー』に掲載された企画が元になっています）、クイズに答えて交通費を稼ぎながら日本全国を旅するRPG風クイズゲーム「日本一周ウルトラクイズ」、連打力を競うミニゲーム「ファミコン適性検査 速撃マっくん」、戦車を動かして絵を完成させるパズル「押し出しパズル」、マッピングが必須となる立体迷路「3-D MAZE」が含まれていました。
当時のゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では25点満点中16.18点を獲得し、同誌の特別付録では、ディスクカードの書き換えという形式から「500円でこの内容なら決して損はしない」「書き換えだからこそお得なソフト」と評されました。『ユーゲー』誌は、特に「日本一周ウルトラクイズ」が多くのファンの心をつかんだと評価しています。
1987年秋に発売された第2号では、収録ゲームは5種類に絞られましたが、その内容はさらに充実しました。ディスクシステム本体を模した選択画面演出も導入されました。新作ゲームとして、パネルの裏表を揃えるパズル「パタリック」、システムを変更し最大4人プレイに対応した「世界一周ナゾラークイズ」、物々交換でお城を目指すシミュレーション「わらしべ」、爆弾で床に穴を開けて進むパズルアクション「爆風トモちゃん」、そして少年探偵団が遺書を探すアドベンチャー「ナゾラー少年探偵団・黄金屋敷の謎編」が収録されました。
ゲーム以外の要素として、読者との交流を深める「ナゾラーBOX」が新設されたのが大きな特徴です。ここには読者からのおたよりを紹介する「おたよりコーナー」、次号予告や「ミス・ナゾラーコンテスト」の募集告知を行う「ぼしゅうコーナー」、自分でドット絵を作成できる「CHRエディター」といったコンテンツが含まれていました。
この号はゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューで30点を獲得し、シルバー殿堂入りを果たしています。『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では16.64点を獲得。同誌は創刊号と比較して「かなり内容の充実がなされている」と評価しました。『ユーゲー』誌は「わらしべ」について「単純ながらどっぷりハマってしまう面白さがあった」と記しています。
1988年春にリリースされた第3号が、本シリーズの実質的な最終号となりました。収録ゲームはさらに厳選され、より個性の強いタイトルが揃いました。クイズに答えてサイコロを振るすごろく形式の「スゴロクイズ」、パワーアップしたアクションパズル「爆走トモちゃん」、そしてプレイヤーが一人密室に閉じ込められたハカセとなり、室内のアイテムを駆使して脱出を試みるアドベンチャー「ナゾラー少年探偵団」が収録されています。ゲーム性はないものの、ビンゴカードの発行と抽選ができる「ビンゴゲーム」機能も含まれています。
雑誌要素のナゾラーBOXも継続。特筆すべきは、前号で募集した「ミス・ナゾラーコンテスト」の結果発表が行われたことです。このコンテストで大賞を受賞したのは、当時高校生であった野上恒氏の作品でした。野上氏は後に任天堂に入社し、『どうぶつの森』シリーズや『スプラトゥーン』シリーズといった人気作品を手掛けることになります。
この号に対するゲーム誌の評価は『ファミコン通信』クロスレビュー25点、『ファミリーコンピュータMagazine』読者投票15.20点と、評価が分かれる傾向が見られました。『ファミマガ』誌は「各ゲームの路線もはっきりとうちだされてきており、より一層好みのわかれるところとなっている」と紹介しています。『ユーゲー』誌は、密室脱出アドベンチャーとしての「ナゾラー少年探偵団」を「うならされた」と高く評価しています。
ナゾラーランドシリーズは、ディスクシステムというメディアの特性を活かし、安価な書き換え形式でゲームと雑誌コンテンツを組み合わせた革新的な試みでした。収録されたゲームは多岐にわたり、ユーザーに多様な遊びを提供するとともに、後の著名クリエイターの才能を発掘する一助ともなったエピソードを持つ、記憶に残るシリーズです。
本シリーズの最大の特徴は、毎号複数のミニゲームが収録されている点にあります。これらのゲームはパズル、アドベンチャー、クイズなど様々なジャンルにわたります。また、単なるゲーム集にとどまらず、読者からのおたよりを紹介するコーナーなど、雑誌ならではの企画も盛り込まれており、「ディスクマガジン」というコンセプトを体現していました。シリーズ全体のイメージキャラクターは漫画家のなんきん氏が担当しました。
創刊号
1987年に登場した創刊号には、8種類のゲームが収められています。T字型の回転ドアを使った迷路「回転迷路ドアマン」、マスターマインド形式の占い「ナゾラー占い」、絵柄のみを頼りにピースを組み替えるジグソーパズル「スーパージグソー」といったパズル系のほか、限られた選択肢で姫を救出するアドベンチャー「MOMOKO姫を救え!」（これはかつて雑誌『パズラー』に掲載された企画が元になっています）、クイズに答えて交通費を稼ぎながら日本全国を旅するRPG風クイズゲーム「日本一周ウルトラクイズ」、連打力を競うミニゲーム「ファミコン適性検査 速撃マっくん」、戦車を動かして絵を完成させるパズル「押し出しパズル」、マッピングが必須となる立体迷路「3-D MAZE」が含まれていました。
当時のゲーム誌『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では25点満点中16.18点を獲得し、同誌の特別付録では、ディスクカードの書き換えという形式から「500円でこの内容なら決して損はしない」「書き換えだからこそお得なソフト」と評されました。『ユーゲー』誌は、特に「日本一周ウルトラクイズ」が多くのファンの心をつかんだと評価しています。
第2号
1987年秋に発売された第2号では、収録ゲームは5種類に絞られましたが、その内容はさらに充実しました。ディスクシステム本体を模した選択画面演出も導入されました。新作ゲームとして、パネルの裏表を揃えるパズル「パタリック」、システムを変更し最大4人プレイに対応した「世界一周ナゾラークイズ」、物々交換でお城を目指すシミュレーション「わらしべ」、爆弾で床に穴を開けて進むパズルアクション「爆風トモちゃん」、そして少年探偵団が遺書を探すアドベンチャー「ナゾラー少年探偵団・黄金屋敷の謎編」が収録されました。
ゲーム以外の要素として、読者との交流を深める「ナゾラーBOX」が新設されたのが大きな特徴です。ここには読者からのおたよりを紹介する「おたよりコーナー」、次号予告や「ミス・ナゾラーコンテスト」の募集告知を行う「ぼしゅうコーナー」、自分でドット絵を作成できる「CHRエディター」といったコンテンツが含まれていました。
この号はゲーム誌『ファミコン通信』のクロスレビューで30点を獲得し、シルバー殿堂入りを果たしています。『ファミリーコンピュータMagazine』の読者投票では16.64点を獲得。同誌は創刊号と比較して「かなり内容の充実がなされている」と評価しました。『ユーゲー』誌は「わらしべ」について「単純ながらどっぷりハマってしまう面白さがあった」と記しています。
第3号
1988年春にリリースされた第3号が、本シリーズの実質的な最終号となりました。収録ゲームはさらに厳選され、より個性の強いタイトルが揃いました。クイズに答えてサイコロを振るすごろく形式の「スゴロクイズ」、パワーアップしたアクションパズル「爆走トモちゃん」、そしてプレイヤーが一人密室に閉じ込められたハカセとなり、室内のアイテムを駆使して脱出を試みるアドベンチャー「ナゾラー少年探偵団」が収録されています。ゲーム性はないものの、ビンゴカードの発行と抽選ができる「ビンゴゲーム」機能も含まれています。
雑誌要素のナゾラーBOXも継続。特筆すべきは、前号で募集した「ミス・ナゾラーコンテスト」の結果発表が行われたことです。このコンテストで大賞を受賞したのは、当時高校生であった野上恒氏の作品でした。野上氏は後に任天堂に入社し、『どうぶつの森』シリーズや『スプラトゥーン』シリーズといった人気作品を手掛けることになります。
この号に対するゲーム誌の評価は『ファミコン通信』クロスレビュー25点、『ファミリーコンピュータMagazine』読者投票15.20点と、評価が分かれる傾向が見られました。『ファミマガ』誌は「各ゲームの路線もはっきりとうちだされてきており、より一層好みのわかれるところとなっている」と紹介しています。『ユーゲー』誌は、密室脱出アドベンチャーとしての「ナゾラー少年探偵団」を「うならされた」と高く評価しています。
ナゾラーランドシリーズは、ディスクシステムというメディアの特性を活かし、安価な書き換え形式でゲームと雑誌コンテンツを組み合わせた革新的な試みでした。収録されたゲームは多岐にわたり、ユーザーに多様な遊びを提供するとともに、後の著名クリエイターの才能を発掘する一助ともなったエピソードを持つ、記憶に残るシリーズです。
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