ナタリー・シュトゥッツマン

ナタリー・シュトゥッツマン（1965年5月6日生まれ）は、フランスを代表するコントラルト歌手であり、近年は指揮者としても国際的に活躍しています。

生い立ちと教育

フランスのシュレンヌで生まれたシュトゥッツマンは、幼い頃から音楽に囲まれた環境で育ちました。ソプラノ歌手であった母親から音楽の手ほどきを受け、ナンシー音楽院へ進学。その後、パリ・オペラ座の付属学校でミシェル・セネシャルに師事し、声楽の研鑽を積みました。さらに、1983年から1987年まで、ドイツ・リートの権威であるハンス・ホッターに師事し、リートの解釈や歌唱法を深く学びました。

歌手としてのキャリア

1988年、ベルテルスマン国際声楽コンクールで優勝したことをきっかけに、コントラルト歌手として国際的なキャリアをスタートさせました。彼女の深く豊かな声質と、卓越した音楽性は、瞬く間に世界中の聴衆を魅了しました。特に、シューマンの歌曲、ショーソンやプーランクなどのフランス歌曲、ヴィヴァルディの宗教曲など、幅広いレパートリーを持ち、数多くの録音を残しています。カトリーヌ・コラールとの共演による歌曲の録音は、特に高い評価を受けています。

指揮者としての活動

2008年からは指揮者としての活動も開始し、新たな才能を開花させました。2009年には、古楽に特化した室内管弦楽団「オルフェオ55」を創設し、自ら指揮者を務めています。オルフェオ55では、バロック音楽を中心に、意欲的なプログラムを展開し、古楽界に新たな風を吹き込んでいます。また、水戸室内管弦楽団など、国内外のオーケストラへの客演指揮も積極的に行っています。

主要な業績

2021年10月、アトランタ交響楽団の次期音楽監督に就任（2022年より）。
2022年7月、バイロイト音楽祭において、女性指揮者として史上二人目となる「タンホイザー」を指揮（2023年）。

ナタリー・シュトゥッツマンは、コントラルト歌手としての卓越した才能に加え、指揮者としても目覚ましい活躍を見せています。その音楽に対する真摯な姿勢と、常に新しい挑戦を続ける姿勢は、多くの音楽家やファンに感銘を与え続けています。今後の活躍がますます期待される、注目の音楽家です。

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