ナタル (装甲巡洋艦)

ナタル (HMS Natal) - 装甲巡洋艦の物語

ナタル（HMS Natal）は、イギリス海軍に属する装甲巡洋艦で、ウォーリア級（またはデューク・オブ・エジンバラ級）に分類されます。この艦船は、1903年から1904年度の海軍建造計画の一環として発注され、同級艦の中で2番目に造られました。その起工は1904年1月6日であり、バロー・イン・ファーネスに位置するヴィッカース・サンズ＆マキシム社によって行われました。

1905年9月30日に、ルイーザ・カヴェンディッシュの命名を受け、1907年3月5日に竣工しました。この艦名は、建造費用の大部分をナタール植民地の住民が負担したことに由来しています。ナタルの建造費用は1,218,244ポンドでした。

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艦歴と役割

同型艦と同様に、ナタルは1907年に第5巡洋艦戦隊に編入されました。1909年には第2巡洋艦戦隊に配属され、1911年から1912年にかけては新王ジョージ5世のデリー・ダルバール出席のための護衛任務を果たしました。さらに、1912年12月には駐英アメリカ大使の遺体をニューヨークまで運ぶ役割も担いました。この任務を重ねた後、艦乗員はナタルを「Sea Hearse（海上の霊柩車）」と呼ぶようになりました。

第一次世界大戦への参加

第一次世界大戦が始まると、ナタルはイギリス海軍のグランドフリートに加わりました。1915年1月にはクロマーティで修理を受け、その後は北海での哨戒任務に従事しました。同年11月22日にはバーケンヘッドのキャメル・レアード社で短期間の修理を行い、12月5日にスカパ・フローで第2巡洋艦戦隊に合流しました。

沈没の悲劇

1915年12月30日、ナタルはクロマーティ湾に停泊していました。艦長エリック・バックは映画観賞会を開催し、軍関係者や民間人の家族を招待しました。参加者は、17人の女性、一人の民間人男性、3人の子供で構成されていました。

午後3時25分頃、突然、艦の後部で激しい爆発が連続して発生し、ナタルはわずか5分後に転覆しました。関係者の一部はドイツ潜水艦による攻撃や機雷の爆発が原因かと考えましたが、調査の結果、爆発は内部から生じたことが明らかになりました。ダイバーによって行われた調査では、爆発は後部9.2インチ砲の弾薬庫または3ポンド砲と小火器の弾薬庫から発生したと報告されました。

この事件に関して、海軍本部で開かれた軍法会議は、ナタルの沈没が内部の弾薬、特に有問題のコルダイトの爆発によるものであるとの結論に至りました。また、1916年1月、海軍本部は当日の乗組員の死亡者や行方不明者（合計390名）のリストを改訂しましたが、女性や子供は含まれていませんでした。

遺産

ナタルの沈没は、イギリス海軍にとって深い悲劇であり、その影響は今でも根強く残っています。艦が抱えていた歴史と任務は、多くの人々に語り継がれています。

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