ナティクシス
ナティクシス（Natixis S.A.）は、フランスの大手金融グループであるBPCE傘下の中核企業の一つとして、主に投資銀行業務、資産運用、保険などをグローバルに展開する金融機関です。フランスの首都パリにその本拠を置き、世界各地の主要な金融センターを含む35カ国以上に事業拠点を構えています。
ナティクシスの設立は、2006年にフランス国内の二つの主要な金融グループ傘下の投資銀行部門が統合されたことによります。具体的には、協同組織金融機関であるバンク・ポピュレール（Banque Populaire）傘下のナトゥクシス（Natexis S.A.）と、貯蓄銀行グループであるケス・デパーニュ（Caisse d’Epargne）傘下のイクシス（IXIS S.A.）が合併し、ナティクシスが誕生しました。社名「ナティクシス」は、両社の旧社名（Nat-と-ixis）を組み合わせたものです。
その源流はさらに遡ります。ナトゥクシスは、1996年にフランス貿易銀行（BFCE）とクレディ・ナショナルが統合して誕生し、1998年にバンク・ポピュレールの傘下に入りました。一方、イクシスは、フランスの公的金融機関である預金供託金庫（Caisse des dépôts et consignations）から部門が分離・再編され2001年にCDCイクシスとして設立されたものが、2004年にケス・デパーニュの傘下に入り改称されたものです。
2006年3月に両投資銀行部門の統合計画が浮上し、同年5月には親会社であるバンク・ポピュレールとケス・デパーニュが合併を正式に発表。新会社ナティクシスとして発足しました。当初、新会社の株式は両親会社がそれぞれ35%ずつ保有し、残りの30%がユーロネクスト市場で公開されました。
しかし、設立間もないナティクシスは、経営体制の課題が指摘され、特にアメリカのサブプライムローン関連事業への投資が裏目に出て、直後に発生したサブプライム住宅ローン危機の影響を大きく受け、経営は深刻な打撃を被りました。この危機に対応するため、親会社であるバンク・ポピュレールとケス・デパーニュは負担を強いられつつ、フランス政府の支援を受けて2009年に経営統合し、BPCEグループを形成しました。これにより、BPCEはナティクシス株の約70%を保有することになりました。ナティクシス自身も、経営混乱の責任を取る形で最高経営責任者（CEO）が交代するなど、経営陣の刷新や大規模な組織再編、人員削減を含む抜本的な経営改革を進め、経営状態の回復を果たしました。
経営再建を遂げたナティクシスは、ブロックチェーン技術の活用や金融商品の多角化など、新たな分野への投資や事業拡充に積極的な姿勢を見せています。そして2021年6月、BPCEグループはナティクシスの発行済み全株式を取得し、同社を完全子会社としました。
ナティクシスは多岐にわたる金融サービスを提供していますが、主な事業領域は以下の通りです。
投資銀行業務: 企業の資金調達やM&Aアドバイザリー、市場取引関連サービスなど、法人および機関投資家向けの広範なサービスを提供します。
アセットマネジメント: 資産運用部門であるナティクシス・インベストメント・マネージャーズを通じて、機関投資家や個人投資家向けに多様な投資ソリューションを提供しています。1967年以来の歴史を持ち、多数の運用子会社を擁しています。
保険: 子会社であるコファス（Coface）などを通じて保険事業も展開しています。特にコファスは取引信用保険の分野に強く、日本を含む多くの国で事業を展開しています。
ナティクシスはスポーツや文化活動への支援も積極的に行っています。2007年からはフランスのプロラグビーチームであるラシン92の公式スポンサーを務めているほか、2010年以降はオリンピックフランス選手団の公式スポンサー企業でもあります。
日本においては、主に以下の2つの法人を通じて事業を展開しています。
ナティクシス日本証券株式会社（Natixis Japan Securities Co., Ltd.）: 証券業務を担う法人で、その起源は1993年にフランスの預金供託金庫が開設した東京駐在員事務所まで遡ります。本国側の組織再編に伴い、複数の旧社名を経て2007年にナティクシス証券東京支店となり、2011年6月に現在の法人格となりました。東京都港区のアークヒルズにオフィスを構えています。
* ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社（Natixis Investment Managers Japan Co., Ltd.）: アセットマネジメント事業の日本における営業拠点です。ナティクシス日本証券と同様に2017年にアークヒルズに移転しました。また、同年11月20日には旧社名から現在の社名に変更しています。
沿革
ナティクシスの設立は、2006年にフランス国内の二つの主要な金融グループ傘下の投資銀行部門が統合されたことによります。具体的には、協同組織金融機関であるバンク・ポピュレール（Banque Populaire）傘下のナトゥクシス（Natexis S.A.）と、貯蓄銀行グループであるケス・デパーニュ（Caisse d’Epargne）傘下のイクシス（IXIS S.A.）が合併し、ナティクシスが誕生しました。社名「ナティクシス」は、両社の旧社名（Nat-と-ixis）を組み合わせたものです。
その源流はさらに遡ります。ナトゥクシスは、1996年にフランス貿易銀行（BFCE）とクレディ・ナショナルが統合して誕生し、1998年にバンク・ポピュレールの傘下に入りました。一方、イクシスは、フランスの公的金融機関である預金供託金庫（Caisse des dépôts et consignations）から部門が分離・再編され2001年にCDCイクシスとして設立されたものが、2004年にケス・デパーニュの傘下に入り改称されたものです。
2006年3月に両投資銀行部門の統合計画が浮上し、同年5月には親会社であるバンク・ポピュレールとケス・デパーニュが合併を正式に発表。新会社ナティクシスとして発足しました。当初、新会社の株式は両親会社がそれぞれ35%ずつ保有し、残りの30%がユーロネクスト市場で公開されました。
しかし、設立間もないナティクシスは、経営体制の課題が指摘され、特にアメリカのサブプライムローン関連事業への投資が裏目に出て、直後に発生したサブプライム住宅ローン危機の影響を大きく受け、経営は深刻な打撃を被りました。この危機に対応するため、親会社であるバンク・ポピュレールとケス・デパーニュは負担を強いられつつ、フランス政府の支援を受けて2009年に経営統合し、BPCEグループを形成しました。これにより、BPCEはナティクシス株の約70%を保有することになりました。ナティクシス自身も、経営混乱の責任を取る形で最高経営責任者（CEO）が交代するなど、経営陣の刷新や大規模な組織再編、人員削減を含む抜本的な経営改革を進め、経営状態の回復を果たしました。
経営再建を遂げたナティクシスは、ブロックチェーン技術の活用や金融商品の多角化など、新たな分野への投資や事業拡充に積極的な姿勢を見せています。そして2021年6月、BPCEグループはナティクシスの発行済み全株式を取得し、同社を完全子会社としました。
主な事業内容
ナティクシスは多岐にわたる金融サービスを提供していますが、主な事業領域は以下の通りです。
投資銀行業務: 企業の資金調達やM&Aアドバイザリー、市場取引関連サービスなど、法人および機関投資家向けの広範なサービスを提供します。
アセットマネジメント: 資産運用部門であるナティクシス・インベストメント・マネージャーズを通じて、機関投資家や個人投資家向けに多様な投資ソリューションを提供しています。1967年以来の歴史を持ち、多数の運用子会社を擁しています。
保険: 子会社であるコファス（Coface）などを通じて保険事業も展開しています。特にコファスは取引信用保険の分野に強く、日本を含む多くの国で事業を展開しています。
スポンサーシップ
ナティクシスはスポーツや文化活動への支援も積極的に行っています。2007年からはフランスのプロラグビーチームであるラシン92の公式スポンサーを務めているほか、2010年以降はオリンピックフランス選手団の公式スポンサー企業でもあります。
日本における事業
日本においては、主に以下の2つの法人を通じて事業を展開しています。
ナティクシス日本証券株式会社（Natixis Japan Securities Co., Ltd.）: 証券業務を担う法人で、その起源は1993年にフランスの預金供託金庫が開設した東京駐在員事務所まで遡ります。本国側の組織再編に伴い、複数の旧社名を経て2007年にナティクシス証券東京支店となり、2011年6月に現在の法人格となりました。東京都港区のアークヒルズにオフィスを構えています。
* ナティクシス・インベストメント・マネージャーズ株式会社（Natixis Investment Managers Japan Co., Ltd.）: アセットマネジメント事業の日本における営業拠点です。ナティクシス日本証券と同様に2017年にアークヒルズに移転しました。また、同年11月20日には旧社名から現在の社名に変更しています。
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