ナデシコ亜綱

ナデシコ亜綱 (Caryophyllidae) とは

ナデシコ亜綱は、被子植物の分類における亜綱の一つであり、主にクロンキスト体系で使用されてきました。この亜綱は、特徴的な植物群を含み、特にナデシコ科がその代表例として挙げられます。ただし、ナデシコ亜綱にどの目が含まれるかは、分類体系によって見解が異なります。

クロンキスト体系におけるナデシコ亜綱

クロンキスト体系では、ナデシコ亜綱は以下の3つの目を含んでいます。

ナデシコ目 (Caryophyllales)
タデ目 (Polygonales)
* イソマツ目 (Plumbaginales)

これらの目は、それぞれ独自の植物学的特徴を持ち、多様な種を含んでいます。クロンキスト体系は、植物の形態や解剖学的特徴に基づいて分類を行う伝統的な体系であり、ナデシコ亜綱もその枠組みの中で定義されています。

他の分類体系との比較

新エングラー体系では、双子葉植物を大きく二つの亜綱に分けており、ナデシコ亜綱に相当するグループは古生花被亜綱（≒離弁花類）に分類されます。これは、クロンキスト体系とは異なる分類学的アプローチを示しています。

一方、APG分類体系では、綱や亜綱といった従来の分類階級を使用していません。したがって、ナデシコ亜綱という名称もAPG体系では用いられません。クロンキスト体系でナデシコ亜綱に属していた科の多くは、APG体系ではナデシコ目 (Caryophyllales) にまとめられています。そして、このナデシコ目は、コア真正双子葉類 (core eudicots) に属するとされています。

APG分類体系におけるナデシコ目

APG分類体系におけるナデシコ目は、分子系統学的データに基づいて再編されたグループであり、従来のクロンキスト体系におけるナデシコ亜綱よりも広い範囲の植物を含んでいます。この目には、サボテン科、ヒユ科、ザクロソウ科など、多様な科が含まれており、これらの科は、分子レベルでの関連性が示されています。

まとめ

ナデシコ亜綱は、クロンキスト体系において重要な位置を占める分類群でしたが、APG分類体系の登場により、その位置づけは大きく変化しました。APG体系では、より詳細な分子系統学的解析に基づいて植物の分類が行われており、ナデシコ亜綱に相当するグループは、ナデシコ目として再編され、コア真正双子葉類に位置づけられています。分類体系の変遷を理解することは、植物の進化と多様性をより深く理解する上で重要です。

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