ナバロンの要塞 (映画)

『ナバロンの要塞』

『ナバロンの要塞』は、1961年にイギリスとアメリカの合作として公開されたアクション・アドベンチャー映画で、同名のアリステア・マクリーンの小説を原作としています。この映画は、エーゲ海に位置するドイツの難攻不落の要塞を連合軍の特殊部隊が破壊しようと奮闘する姿を描いています。監督はJ・リー・トンプソン、脚本とプロデューサーはカール・フォアマンが務めました。映画は特別な視覚効果が評価され、1962年第34回アカデミー賞で特殊効果賞を受賞し、また第19回ゴールデングローブ賞では作品賞（ドラマ部門）を受賞しました。音楽はディミトリー・ティオムキンが手掛け、彼自身もゴールデングローブ賞の音楽賞を受賞しています。

撮影と協力

撮影にはギリシャ政府及び現地のギリシャ人、並びにギリシャ軍（陸海空軍）が大いに協力しました。冒頭のクレジットでは、この協力に感謝の意が示されています。製作・脚本のカール・フォアマンは、イギリスの赤狩りの影響で亡命先でのハリウッド復帰を目指し、豪華なキャストを揃えました。しかし、当初予定されていた俳優たちが役を辞退し、最終的にグレゴリー・ペックがマロリー大尉役に、デヴィッド・ニーヴンがミラー伍長役にキャスティングされることとなります。

本作は戦争映画でありながら、実際の戦闘シーンは少なく、むしろアクションと冒険の要素が強く表れている点が特徴的です。また、作品全体を通して「戦争と人間」というテーマにも挑戦しています。戦闘シーンの中には、巨大なプールを使用した特殊効果が使われており、船舶や特殊な機材が駆使されています。この映画の戦車や半装軌車も、ギリシャ軍の機材にドイツ風のマーキングを施したものです。

あらすじ

物語は1943年、第二次世界大戦の最中に舞台を移します。ギリシャの孤立したケロス島にイギリス軍が2,000名配備されており、この島はナチス・ドイツの脅威に晒されることになります。ドイツ軍は、トルコを味方に引き入れるためこのイギリス軍を全滅させようとします。連合軍は、危機を察知し駆逐艦を送る救出作戦を計画しますが、その前に障害となるナバロン島の要塞を破壊する必要があります。しかし、当初の航空爆撃作戦は失敗に終わり、連合軍はどうしてもこの要塞を攻略する手段を講じる必要がありました。

そこで、少数精鋭部隊の設立が決定され、彼らは極秘に潜入して要塞を破壊する任務を帯びます。フランクリン少佐の指揮のもと、他のメンバーたちも参加します。彼らは各々が一流の専門家であり、作戦が成功するかどうかはまさに彼らの技術力と勇気にかかっています。様々な困難や裏切り、戦闘が待ち受ける中、彼らは力を合わせて要塞攻略に挑みます。

結末

物語は緊迫感に満ち、彼らが直面する試練や危険は、まさに現代の伝説とも呼べる勇敢な行動に繋がります。この映画は、戦争という厳しい現実とそれに立ち向かう人間ドラマを見事に描いており、視聴者に深い感動を与えることに成功しています。オリジナルの高いエンターテインメント性も兼ね備えた作品であり、戦争映画としての立ち位置も確立しています。続編も制作されるなど、その評価は今も色あせていません。

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