ナルニア国物語 (映画)

ナルニア国物語：魔法の国と子供たちの冒険

C・S・ルイスのベストセラーファンタジー小説『ナルニア国ものがたり』を映画化した『ナルニア国物語』シリーズ。このシリーズは、魔法の国ナルニアを舞台に、ペベンシー4兄弟を中心に繰り広げられる冒険物語を描いています。

シリーズの概要

『ナルニア国物語』は、原作7部作を映画化する計画でスタートしました。2005年から2010年にかけて、『ライオンと魔女』『カスピアン王子の角笛』『アスラン王と魔法の島』の3作品が公開されました。

これらの映画は、原作小説の世界観やキリスト教的なテーマを忠実に再現しつつ、ギリシア神話やアイルランドの民話からの影響も垣間見ることができます。喋るライオンのアスランが中心的な存在であり、ペベンシー兄弟たちはアスランの導きによって、ナルニアの世界に導かれていきます。彼らが戦う相手は、ナルニアを永遠の冬に変えた白い魔女です。

制作と配給

シリーズ第1作と第2作は、アンドリュー・アダムソン監督、マーク・ジョンソン製作、ウォルト・ディズニー・ピクチャーズ配給という体制で制作されました。しかし、第3作『アスラン王と魔法の島』からは、監督がマイケル・アプテッドに交代し、配給も20世紀フォックスへと移行しています。これは、第2作の興行収入がディズニーの期待値を下回ったことが大きな要因と考えられます。

当初、C・S・ルイス自身は映画化に懐疑的であったため、生前は映画化権の売却には至りませんでした。

各作品のあらすじ

第1章：ライオンと魔女

第1作『ライオンと魔女』では、第二次世界大戦中の空襲を逃れるため田舎に疎開したペベンシー4兄弟が、古くて不思議な衣装戸棚を通じてナルニアにたどり着きます。そこで彼らは、白い魔女によって永遠の冬に閉ざされたナルニアを救うため、アスランと共に戦います。この作品は世界中で大ヒットし、興行収入は7億ドルを超える成功を収めました。

第2章：カスピアン王子の角笛

第2作『カスピアン王子の角笛』では、1300年後のナルニアを舞台に、ペベンシー兄弟が再びナルニアを訪れます。彼らは、邪悪な叔父から王位を奪われたカスピアン王子を助け、ナルニアを取り戻すための戦いに身を投じます。

第3章：アスラン王と魔法の島

第3作『アスラン王と魔法の島』は、原作『朝びらき丸 東の海へ』を基にしています。エドマンドとルーシー、そして彼らのいとこユースチスは、ナルニア王となったカスピアンと共に、伝説の島を探す冒険に出かけます。この作品は、ディズニーとウォルデン・メディアの製作費をめぐる争いの末、一時製作が保留されましたが、後に20世紀フォックスが配給を引き継ぎ、公開に至りました。

キャスト

主要キャストには、ウィリアム・モーズリー、アナ・ポップルウェル、スキャンダー・ケインズ、ジョージー・ヘンリーら、ペベンシー兄弟を演じる若手俳優たちが名を連ねています。アスランの声はリーアム・ニーソンが担当しています。また、白い魔女役にはティルダ・スウィントン、カスピアン10世役にはベン・バーンズといった実力派俳優が起用されています。

続編について

当初、第4作は『魔術師のおい』を予定していましたが、製作中止となり、『銀のいす』が次の作品として計画されました。しかし、2023年11月現在、その後の続編に関する情報は公開されていません。

シリーズ全体の評価

『ナルニア国物語』シリーズは、古典的名作の映画化という点で、世界的な映画フランチャイズになることが期待されていました。興行収入も15億ドルを超える成功を収めていますが、作品ごとの評価や興行成績にはばらつきがあり、シリーズ全体の評価は必ずしも一様ではありません。

まとめ

『ナルニア国物語』は、素晴らしい映像と魅力的なキャラクター、そして奥深い物語で、多くの観客を魅了した映画シリーズです。原作小説のファンはもちろん、初めてナルニアの世界に触れる人にとっても、忘れがたい冒険の旅となるでしょう。

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