ナンシー・ケリガン

ナンシー・ケリガンは、1969年10月13日、アメリカ合衆国マサチューセッツ州で生まれました。6歳からスケートを始め、フィギュアスケート選手としての道を歩み始めました。父親は溶接工であり、決して裕福な家庭ではなかったものの、ケリガンの才能を信じ、練習リンクの整備を自ら行うなど、娘のスケートを全力で支えました。兄弟と共にアイスホッケーを楽しむ一方で、9歳の時には早くもフィギュアスケートの大会でメダルを獲得するなど、幼少期からその才能を発揮していました。

1991年の世界フィギュアスケート選手権では、クリスティー・ヤマグチ、トーニャ・ハーディングに次いで銅メダルを獲得し、アメリカ女子フィギュア界の黄金時代を築いたメンバーの一人となりました。翌1992年のアルベールビルオリンピックでは、銅メダルを獲得。同年の世界選手権では銀メダルを獲得し、着実にその実力を開花させていきました。

1993年には全米フィギュアスケート選手権で初優勝を飾り、名実ともにアメリカを代表する選手へと成長を遂げました。その直後の世界選手権ではショートプログラムで首位に立ちましたが、フリースケーティングで大きく崩れ、総合5位という結果に終わりました。

しかし、1994年1月6日、ケリガンは思わぬ悲劇に見舞われます。ライバル選手であったトーニャ・ハーディングの元夫に雇われた人物に襲撃され、膝を負傷してしまったのです。これにより、全米選手権を欠場することとなり、一時的にミシェル・クワンがオリンピック代表に選ばれましたが、ケリガンは特例でオリンピック出場を認められ、リレハンメルオリンピックで銀メダルを獲得しました。

リレハンメルオリンピック後、ケリガンは現役を引退し、プロスケーターに転向しました。4年後の1998年、長野オリンピック直前のアメリカのテレビ番組で、ケリガンとハーディングが久々の再会を果たします。ハーディングが襲撃事件について謝罪すると、ケリガンはこれを受け入れ、二人の間に事実上の和解が成立しました。

ケリガンは、その卓越した技術と美しい演技で多くのファンを魅了し、フィギュアスケート界に大きな足跡を残しました。また、襲撃事件という悲劇を乗り越えて銀メダルを獲得したことは、彼女の不屈の精神を象徴する出来事として、多くの人々の記憶に刻まれています。

主な戦績
1992年 アルベールビルオリンピック 銅メダル
1992年 世界フィギュアスケート選手権 銀メダル
1993年 全米フィギュアスケート選手権 優勝
1994年 リレハンメルオリンピック 銀メダル

外部リンク
Nancy Kerrigan's official website (公式ファンサイト:英語版)
Washington Post article on the clubbing (ワシントンポスト紙によるケリガン殴打事件)
Harding, Kerrigan are linked forever by skating incident
ナンシー・ケリガン - Olympedia (英語)

もう一度検索