ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館

ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館の魅力

デンマークのコペンハーゲンに位置するニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館は、訪れる人々に多様な芸術作品を提供する文化的スポットです。元々、名は「ニュー・カールスバーグ美術館」として知られ、この美術館の設立は、カールスバーグ社の創設者であるJ. C. ヤコブセンの息子、カール・ヤコブセンの私有コレクションから始まりました。彼は父の経営方針に反発し、新たな会社「ニイ・カールスベルグ」を設立しましたが、両者は1906年に再び合併しました。にもかかわらず、美術館は「ニイ・カールスベルグ」という名称が残されています。

美術館の名称であるグリプトテークは「彫刻陳列館」を意味し、設立当初は古代の彫刻が中心でした。しかし、時を経て絵画や版画の収集も行うようになりました。この美術館ではエジプト、ローマ、ギリシャに起源を持つ古代の作品が数多く収蔵されており、ロマン派の彫刻や絵画、デンマーク黄金時代の重要な作品も含まれています。また、美術館のエトルリア関連のコレクションはイタリアを除く地域では最大級のものとされています。

美術館内には印象派の名作も多く展示されており、クロード・モネ、カミーユ・ピサロ、ピエール＝オーギュスト・ルノワール、エドガー・ドガ、ポール・セザンヌといった著名な画家の作品が鑑賞できます。特に、ポスト印象派の画家であるフィンセント・ファン・ゴッホ、アンリ・ド・トゥールーズ＝ロートレック、ピエール・ボナールの作品も充実しています。中でもオーギュスト・ロダンの彫刻コレクションはフランス国外では屈指の規模を誇り、特に注目されています。さらに、ドガが手掛けた踊り子の連作の銅像も存在し、その美しさで来館者を魅了しています。

建物自体も美術館を訪れる大きな魅力であり、亜熱帯の冬園が中心に位置することで、上品かつ落ち着いた雰囲気を醸し出しています。美術館の初期の設計は建築家ウィルヘルム・ダーララップによるもので、1897年に完成しました。その後、ハック・カンプマンが新たな翼部分を1906年に増築し、さらなる拡張が行われ、古代作品を収めるための空間が設けられました。また、1996年にはデンマークの建築家ヘンイング・ラルセンによって再び拡大され、現代的な施設として生まれ変わりました。

美術館はコペンハーゲン中心部のダンテス・プラズ7番地にあり、チボリ公園からも徒歩数分の距離に位置しているため、観光や散策の合間に立ち寄るには最適な場所です。この美術館はアート展示にとどまらず、公的な会議や祝宴の場としても活用されており、2002年にはヨーロッパ・ポリオフリー証明式が行われたことでも知られています。

まとめ

ニイ・カールスベルグ・グリプトテク美術館は、古代から近代までの多様な芸術作品が楽しめる魅力的な場所です。デンマーク文化を堪能するための訪問には、ぜひ一度足を運んでみてください。

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