ニコチン酸

ニコチン酸（ナイアシン）について

ニコチン酸（英: nicotinic acid、Na）は、ピリジンカルボン酸の構造異性体の一種で、ナイアシンとしても知られています。この物質は、ビタミンB群に属するビタミンB3の一形態で、主にサプリメントや食品添加物として広く利用されています。

歴史

ニコチン酸は1867年にアルカロイドのニコチンを酸化して発見され、その名が定められました。その後、1911年には鈴木梅太郎やC. Funkらによって、生体から抗ペラグラ因子として単離されることとなります。1937年には、ニコチン酸がビタミンであるということがC.A. Elvehjemによって明らかにされました。20世紀末には、年間のニコチン酸の生産量が世界中で1万トンを超えることが確認されましたが、その大半は飼料用に使用され、食品や医薬品としての用途はほんの一部でした。

製法と生合成

ニコチン酸は、強い酸化剤（硝酸や過マンガン酸カリウム）を用いて、ピリジン誘導体であるβ-ピコリンから合成されます。また、ピリジン環を構築する方法でも製造されることがあります。動物や菌類においては、トリプトファンからキヌレニンおよび3‐ヒドロキシアントラニル酸を経由して生合成されます。一方で、植物や細菌ではアスパラギン酸とグリセロールの代謝物から構成されるC3ユニットによって生成されます。

生理活性

生体内におけるニコチン酸は、ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド（NAD）やそのリン酸化体であるニコチンアミドアデニンジヌクレオチドリン酸（NADP）の一部として存在し、これらは酸化還元酵素において重要な役割を果たしています。このような化合物は、電子伝達に関与し、エネルギー代謝や細胞の修復過程に重要な役割を担っています。

関連項目

• - ピリジン: ニコチン酸の前駆体となる化合物。
• - ナイアシン: ニコチン酸とニコチン酸アミドを含むビタミンB3の総称。
• - ピコリン酸: 他のピリジン誘導体であり、生理学的活性を持つ。
• - ピラジン酸: 同じく、ピリジン環を持つ化合物である。

参考文献

国際化学物質安全性カードにおいてニコチン酸に関連する情報も記載されています。興味がある方は、こちらを参照してください。

もう一度検索