ニコラス・モズレー (第3代レイブンズデール男爵)

ニコラス・モズレー：小説家、貴族、政治家としての生涯

ニコラス・モズレー（Nicholas Mosley, 1923年6月25日 - 2017年2月28日）は、イギリスの小説家、貴族、政治家、そして陸軍軍人でした。彼は第3代レイブンズデール男爵であり、第7代準男爵でもありました。

生い立ちと教育

1923年、ニコラス・モズレーは、後にイギリス・ファシスト連合の指導者となるオズワルド・モズレーとその最初の妻シンシア（初代ケドルストンのカーゾン侯爵ジョージ・カーゾンの娘）の間に長男として生まれました。異母弟には、国際自動車連盟（FIA）会長を務めたマックス・モズレーがいます。イートン校を経てオックスフォード大学ベリオール・カレッジに進学しました。

軍人としての活動

第二次世界大戦中、モズレーはライフル連隊に大尉として従軍し、その勇敢さからミリタリー・クロスを受章しました。

小説家としてのキャリア

戦後、モズレーは小説家としての道を歩み始めました。彼は数多くの小説を著し、その中には『Spaces of the Dark』（1951年）、『The Rainbearers』（1955年）、『Corruption』（1957年）、『African Switchback』（1958年）、『The Life of Raymond Raynes』（1961年）、『Meeting Place』（1962年）、そして『Accident』（1964年）などがあります。『Accident』は後に「できごと」として映画化されました。また、ジョゼフ・ロージー監督の映画『暗殺者のメロディ』では脚本家としても才能を発揮しました。

貴族としての地位

1966年、モズレーは母方の伯母である第2代レイブンズデール女男爵アイリーン・カーゾンの死去に伴い、第3代レイブンズデール男爵位を継承し、貴族院議員となりました。1980年には、父オズワルドの死去により、第7代準男爵位も継承しました。

貴族院改革とその後

1999年11月11日、トニー・ブレア政権下での貴族院改革により、世襲貴族の議席が制限されたため、モズレーは貴族院議員の地位を失いました。

2017年2月28日、ニコラス・モズレーは死去しました。彼の爵位は、孫にあたるダニエル・モズレーが継承しました。

栄典

1966年：第3代レイブンズデール男爵
1980年：第7代準男爵
* 1945年：ミリタリー・クロス（MC）

家族

1947年、モズレーはジョン・サーモンド空軍元帥の娘ローズマリーと結婚し、4人の子供をもうけました。長男のショーン・ニコラス・モズレーは2009年に亡くなり、その息子であるダニエル・モズレーが第4代レイブンズデール男爵を継承しました。1974年にはヴェリティ・レイモンドと再婚し、1人の息子をもうけました。

ニコラス・モズレーは、小説家、貴族、政治家、軍人として多岐にわたる分野で活躍し、イギリス社会に大きな足跡を残しました。

参考文献
田中嘉彦「英国ブレア政権下の貴族院改革 : 第二院の構成と機能」『一橋法学』第8巻第1号、一橋大学大学院法学研究科、2009年3月、221-302頁

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