ニコラス・リーチミア (初代リーチミア男爵)

初代リーチミア男爵ニコラス・リーチミア

初代リーチミア男爵ニコラス・リーチミア（1675年8月5日 – 1727年6月18日）は、イギリスの法律家であり政治家でした。ホイッグ党に所属し、法務次官、法務長官、そしてランカスター公領大臣を歴任しました。1721年には男爵に叙されましたが、その爵位は一代限りで廃絶しました。

生い立ちと教育

彼はエドマンド・リーチミアとルーシー・ハンガーフォードの次男として生まれました。1693年にミドル・テンプルに入学し、1698年に弁護士資格を取得しました。その後、1708年から1711年まで勅選弁護士を務め、1714年からはミドル・テンプルの評議員に就任しました。彼もまた祖父と同じく弁護士としての道を歩み始め、ホイッグ党に強い支持を示しました。

政治キャリア

1708年のイギリス総選挙でウォートン男爵の支持を受けてアップルビー選挙区から当選し、議会に参加しました。彼は熱心な弁論家であり、1709年にはアン女王の再婚を支持、さらにスコットランド民兵法の起草にも関与しました。ヘンリー・サシェヴェレルの弾劾裁判では検事側の一人として参加しましたが、ある日記作家からは「目を書類から離さずに読み上げていた」と批判されることもありました。

1710年の総選挙でもウォートンの支持を受け、コッカーマス選挙区で再当選しましたが、ホイッグ党は選挙に敗北しました。それにもかかわらず、リーチミアは精力的に活動を続け、トーリー党政権を批判しました。1711年には勅選弁護士を解任されましたが、その後も活動を続け、英仏和平の動きに強く関与しました。彼は「スペインなくして講和なし」という動議に賛成し、フランスとの単独講和を批判するなど、積極的な姿勢を貫きました。

政治的影響とトラブル

1713年には政府が文書煽動罪で訴えられた件において、リーチミアはその弁護士を務めました。1714年に即位したジョージ1世は、リーチミアを法務次官に任命しましたが、翌年には口論が原因で辞任しました。彼は議会において、ジャコバイト蜂起の反乱者を弾劾する法律を推進しました。しかし、彼の政治的活動は困難を伴いました。特に1717年にはホイッグ党が分裂し、リーチミアは新たな主導者である第3代サンダーランド伯爵を支持することで再び権力の座を掴みました。

最後の年

リーチミアは1721年に男爵に叙爵され、同年に貴族院議員に就任しました。彼の政治キャリアは波乱万丈であり、南海泡沫事件に関与したことで秘密委員会に選出されました。しかし、健康を理由に調査にはほとんど関与せず、最終的には病気により1727年に死去しました。彼には子供がなく、爵位は断絶しました。遺産は妻エリザベスが相続し、後に甥に受け継がれました。

業績と評価

リーチミアはホイッグ党の忠実な支持者であり、議会での彼の活動は注目されました。彼はその性格からしばしば喧嘩早いと言われ、政治観も独立的なものでした。彼の存在は当時の政治において重要でしたが、出世道は困難であったようです。

家族

1719年にエリザベス・ハワードと結婚しましたが、二人の間には子供はいませんでした。リーチミアはその生涯を通じて独自の視点で政治に関与し、ホイッグ党の一翼を担った重要な人物でした。

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