キアーリの戦い

キアーリの戦い：スペイン継承戦争の一幕

キアーリの戦いは、1701年9月1日に現在のイタリア・ピエモンテ州ブレシア県の都市キアーリで発生した、スペイン継承戦争における戦闘です。この戦いは、オーストリア（ハプスブルク帝国）軍とフランス軍の間で繰り広げられました。

戦いの背景

プリンツ・オイゲン率いるオーストリア軍は、チロルから中立国であるヴェネツィア領内を通過し、北イタリアへと進軍しました。これに対し、当初フランス軍はニコラ・カティナが指揮を執りカルピで迎え撃ちましたが、敗北を喫しました（カルピの戦い）。その後、ヴィルロワ公フランソワ・ド・ヌフヴィルが指揮官としてフランス軍を率いることになりました。オイゲンはロンバルディアを北西に進軍し、1701年9月1日にキアーリで両軍が激突しました。

戦闘の経過

フランス軍は約38,000人、対するオイゲン率いるオーストリア軍は約22,000人と、兵力ではフランス軍が優勢でした。しかし、オーストリア軍は戦いに有利な地点を事前に占拠していました。フランス軍はオーストリア軍の陣地へ突撃を敢行しましたが、オーストリア軍は周囲を川に囲まれた有利な陣地を構築し、正面には大砲を配備していました。その結果、フランス軍は2時間後には約3,000人の損害を出し、敗北を余儀なくされました。一方、オーストリア軍の損害はわずか200名ほどでした。

戦後の影響

キアーリの戦いの後、フランス軍とオーストリア軍は膠着状態に陥り、大規模な戦闘はしばらくの間行われなくなりました。しかし、1702年に入ると、オーストリア軍はフランス軍に対して奇襲を仕掛け、クレモナの戦いへと繋がっていきます。

参考文献

Eggenberger, David. A Dictionary of Battles (New York: Thomas Y. Crowell, 1967), P93.
友清理士『スペイン継承戦争 マールバラ公戦記とイギリス・ハノーヴァー朝誕生史』P86、彩流社、2007年。
デレック・マッケイ著、瀬原義生訳『プリンツ・オイゲン・フォン・サヴォア-興隆期ハプスブルク帝国を支えた男-』P70 - P71、文理閣、2010年。

外部リンク

スペイン継承戦争（英語）
* The Battle of Chiari

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