ニコラ・リュクネール

ニコラ・リュクネール伯爵の生涯

ニコラ・リュクネール伯爵（Nicolas Comte Luckner）は、1722年1月12日にバイエルンのヒャムに生まれ、1794年1月4日にフランスで亡くなったフランスの元帥です。彼はドイツ系であり、ドイツ語ではニコラウス・フォン・ルックナー伯爵（Nikolaus Graf von Luckner）として知られています。リュクネールの家系には、ドイツ海軍で活動するフェリクス・フォン・ルックナーが彼の曾孫にあたります。

彼は若い頃、パッサウのイエズス会の修道院に身を寄せていましたが、次第にその環境から離れ、オランダ軍の騎兵隊に参加することになります。その後、ハノーファー軍に移り、七年戦争の際には騎兵隊の士官として戦いました。1764年にはフランス軍に加わり、中将としての地位を得ました。1784年、デンマーク王から伯爵の爵位が与えられ、彼の名声はさらに高まりました。

1789年、フランス革命が始まると、リュクネールは革命政府の支持者として活動を始め、1791年には陸軍元帥に昇進します。1792年にはライン方面軍の司令官に任命され、フランスがオーストリアに宣戦布告する準備を進めていました。この時、ルージェ・ド・リール大尉がライン方面軍の行進歌「ライン軍のための軍歌」を作詞作曲し、彼に献呈しました。この曲は後にフランス国歌である「ラ・マルセイエーズ」として知られるようになりました。

その後、リュクネールは北方軍の司令官に就任し、フランドル地域のメナンやコーリックを攻略しましたが、リールを喪失してしまいます。1792年8月、ラファイエットが亡命した後、リュクネールは発言力を失い、シャロン＝アン＝シャンパーニュの予備軍の司令官に降格されました。国民公会は彼の解任を考慮し、彼を補佐する者を選定するよう指示しました。リュクネールはその後、抗議のためパリに赴きましたが、そこで政府に逮捕され、最終的に革命裁判所によって死刑が宣告されます。

1794年1月4日、リュクネールはパリでギロチンによって処刑され、71歳で命を落としました。

余談

ニコラ・リュクネール伯爵の出身地であるヒャムでは、彼を記念して毎日12時05分に市庁舎のカリヨンが「ラ・マルセイエーズ」を演奏しています。彼の歴史的な功績と国歌とのつながりは、地域においても今なお語り継がれています。

もう一度検索