ニジネカムスク市電

ニジネカムスク市電の概要

ニジネカムスク市電（Нижнекамский трамвай）は、タタールスタン共和国のニジネカムスク市で運行されている路面電車です。この市電は、1960年代にソ連時代に設計された計画都市の公共交通機関として位置づけられています。最初の路線は1967年に開通し、1968年には市の中心部への延伸が行われました。以降、工業地帯の発展に沿って路線数は増加し、現在では営業キロ64km、7系統を持つまでに成長しました。2020年時点での1日の利用者数は、約4万人に達しています。

運営と評価

市電は、ゴルエレクトロトランスポート（Горэлектротранспорт）によって運営されています。2020年時点で、同社は495人の従業員を抱え、そのうちの約65%は女性という特徴があります。特に、女性運転士は2011年と2015年にロシア全体の路面電車運転士を評価するコンテストで優勝した実績を持ち、運営の質の高さが際立っています。ゴルエレクトロトランスポートは、定時運行や運転技術での評価が高く、多くの賞を受けた実績があります。

運行系統と料金

2023年現在、ニジネカムスク市電では6系統が運行されています。その中で、1、5、8号線は主に住宅地と工業地帯をつなぎ、工場の就業時間に応じたダイヤが組まれています。一方、2、6、7号線は市内中心部をカバーしており、一部の列車では連結運転も行われています。また、市電では健康促進を目的とした「健康路面電車（трамвай здоровья）」も運行しており、地域住民に親しまれています。運賃は、事前に乗車券を購入した場合20ルーブル、車内での半券購入は22ルーブルです。企業向けには1ヶ月間有効な定期券（1,200ルーブル）も用意されています。不正乗車者には300ルーブルの罰金が科せられることがあります。

車両について

2020年現在、ニジネカムスク市電の車両は全てウスチ＝カタフスキー車両製造工場で製造されたものです。さらに、開業時に輸入されたRVZ-6Mモデルに類似した車両（RVZ-6M2）が2016年に得られ、1両は静態保存、もう1両は動態保存運転を行っています。これにより、地域の交通の歴史と共に親しむことができます。

将来の展望

ゴルエレクトロトランスポートでは、今後の成長に向けた多くの計画を抱えています。特に、南部の製油所や化学コンビナートの新設により、環境への配慮から路面電車の重要性が高まっています。これに応じて、全長12kmの路線延伸や、車庫・変電所の新設が計画されています。加えて、バリアフリー対応の超低床電車の導入も進められており、これからのニジネカムスク市電に期待が高まります。

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